ロジック図解実践例題:行動指示関連パターン
少し前に作った「ロジック図解実践例題:行動指示関連パターン」という動画コンテンツのテキスト版を載せておきます。
(注:本書は題材として新型コロナウィルス関連の文書を使っているだけで、コロナウィルスそのものに関する新情報や解説・主張は何もありませんので、その種の情報をお求めの場合はその種のサイトで探してください)
以下、本題です。たとえば下記のような文章があったとしましょう。
要するに感染が疑われたら休んでくださいという話です。
この文章には、どんな構造がありますか? 探してみてください。
と言われても、「構造を探す」のに慣れていないとどこから手を着けていいかもわからず頭真っ白になりがちです。
そこでちょっと範囲を狭めて、↓この範囲から「グループ」を探してみてください。
長文で扱いにくいときはこんなふうにまず範囲を狭めて考えます(もちろん、どの範囲を選ぶかでまた経験値が必要なのですが・・・)。
ここで注目したいのが、「仕事や学校」という表現です。実は「○○や○○」という列挙型構文はたいてい何かのグループです。
そう考えると、この1文は大まかにA~Cの3つのグループに分けられそうです。そこでもう一度文全体を見て、A~Cに適当なラベルをつけてください。
少しスペースを開けるので自分で考えてみてから先をどうぞ。
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これは業務文書で出てくる典型的パターンの1つで、「いつ・何を・どうする」がセットで構成されものです。私はこれを「行動指示パターン」と呼んでいます。
「いつ・何を・どうする」の他にも可能なラベルはありますが、それはこの記事の末尾に書いておきます。
ここで教訓にしたいのは、「長文は、わかりやすい小部分から攻略しよう」ということです。
長文の一部だけでもパターンが見えると、それが手がかりになって残りも構造化しやすくなることがよくあるからです。
というわけで残りの部分も考えましょう。次はこれです。
「休んでいただくことはご本人のためにもなりますし、感染拡大の防止にもつながる大切な行動です」という1行の中の情報を、A~Cのどこかに関連づけるとしたらどこでしょうか?
これには2つの考え方があります。これも少しスペースを開けるので自分で考えてみてから先をどうぞ。
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第1に、因果関係があることに注目するとCに関連づけられます。
いっぽう、「誰にとってのメリット」かに注目するとAとBに関連づけられます。
そこで今度は↑上の図を少し変形して、下記のD部分にもうひとつ何かラベルをつけましょう。
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たとえばこんなラベルがつけられます。(そのまま「誰のため」でもいいんですが、「感染拡大を防止できる」には直接的に「誰」に該当する情報が無いので、「何のため」に変更しました)
ところで、一見これでよさそうに見えますが、Dのブロックをよく見ると微妙に不揃いなところがあります。
そこで、その不揃いが解消されるようにちょっと修正してください。
たとえば・・・・
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こういうことです。
こう書いた方が、A・Bとの対応関係もわかりやすくなりますよね。
実は元の文章はその「対応関係」がわかりにくい書き方をしていたのです。
G/P/Sやラベルを考えてきちんと構造化をしていくと、こんなふうに不揃いだったり情報に空白がある部分に気がつくようになり、だんだんと「文章を読んだだけで」そういう欠陥が見えるようになります。(そのためには1日1回でいいので日常的にこの種のワークをやりましょう)
今回はここまでです。原文の残った部分の解釈については省略します(興味のある方は自分で考えてみてください)。
今回の教訓を3点まとめると、以下の通りです。
以上! 動画で見たい方はこちらでどうぞ↓
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