ドラマ感想:「いちばんすきな花」
作品リンク:https://fod.fujitv.co.jp/title/70jl/
なんか気になった作品.「こういうことを描きたかったのかな?」という私の想像をだらだら書きます.
まず「人と人の関わり方って無限のパターンがあるじゃん?」っていうことなのかと思った.「AとB,それからBとCが仲よかったら,A, B, and Cも上手くいく」とかそういう単純な話ではないし,「これは友情,あれは恋愛」とかもだるいし,みたいな?
あと「人を理解した気にならないでくれ〜」という叫びも感じた.一部の登場人物を露悪的に描いて,とくに弁解の余地も与えないままにするのも,「理解しなくてええよ」っていうパンク・ロックなのかもしれない.
公式の売り込み方としては「男女の友情」がテーマになっとるみたいやけど,目眩しに思えてきた.私には到底主題には思えない.改めて「男女の友情がテーマだったと思う?」と聞かれたら多くの人が悩むと思う.あえてサブ・テーマをメイン・テーマっぽく提示するミス・リードで,視聴者があれこれ感想を持つように誘導している気がした.こういう想像をすることが許されている気がして,そこがこのドラマのいいところなんじゃないかと勝手に思った.共感されなくても,自分の思うように考えたらええやんっていうアティチュードの,アンタイ・正解主義のパンク・ロック?
例えば花屋の弟を演じていた一ノ瀬颯さんが下のように書いている:
私は全然違う読み取り方をしていて,「理解できないままでええやんか?」っていうドラマだと受け取った.そしてこういうときに「自分の方が正しい読み取り方に決まっとる」とかいうやつを見るとモヤらへん?っていう話だと受け取った.一ノ瀬颯さんがそう受け取ったならそういうことやし,私は私で別で,混ぜんなやっていうあれよ.
タイトルの「いちばんすきな花」はそういう精神を感じる.「どういう意味なん?」って視聴者に考えてもらえるようなタイトルを付けたんかなって.
「多くの人が共感できて,かつはっきりしたテーマがないと興行的に成功しなくない?」っていうのはあると思うけど,「登場人物が魅力的だったらテーマとか共感とか関係なくおもろいやろ」っていうアティチュードなんじゃないかと思ってみた.私が一番好きだったのは塾の男の子です.別に演技とか詳しくないけど,なんかパワを感じた.
全然根拠とかじゃないけど,脚本家の生方美久さんの随筆(エッセイより随筆の方が枕草子感あってよくない?って本人が言ってた)を読んで想像したことでした:
https://gingerweb.jp/tag/miku-ubukata
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