犬のリアルなイラストの描き方
前回の記事よりかなり経っていますが、今回は私が描いたときの犬のイラストのメモでございます!
リアルな犬のイラストを描きたい方のお力になる記事になればと思います。
コミティアの事ももうちょっとしたら書いていきたいと思います。
リアルな犬のイラストを描くには
!!重要!!何事も大雑把に描く
あらかじめここにも書いておきますが、リアルよりなイラストを描くときは兎に角、以下の事を守ると時間がかからないし、リアルに描きやすいと思います。
イラスト描くときは誰もが思っているかと思いますが書いておきます。
大きいブラシを使う
画面は拡大しない
資料は絶対に必須
この条件を念頭に入れて、実際に描いていった手順を上げていきます。
①線画であたりを描く
犬種によってマズル(口まわりから鼻先)の長さが異なるので、描きたい犬種を見て頭蓋骨から鼻先の長さの比率や、耳の大きさの比率、目の位置を大まかに決める。
ここに何犬種か自分がメモった比率を置いておきます。
「これじゃ、わからん。」
ハイ、私もよくわからんメモですw。
脳筋族で手で覚え込ませるタイプなのでこんな大雑把メモです。
人間と描き方が同じだなと思ったのは、頭蓋骨があるので
鼻根の位置をしっかり決めておけば
眼窩の高さやマズル部分の高さを調整するだけで
何とかそれっぽく見える事がわかりました。
「もっと簡単にならんか?」
と思ったら以下の書籍をお勧めします!
リアルのワンコもとっても素敵に描かれるsakioさんの書籍
『4ステップで誰でもかわいく描ける いぬとねこのイラスト練習帖』
こちらは何と犬も猫も描けるようになっている手順が描かれているうえに、可愛い!
シンプルな描き方なのでリアルに落とし込む前にこれくらい簡単にするといいという感覚がつかめるのではないでしょうか?
ちなみに、この段階でシルエット(シェイプ)から取れる方はシルエットからとって下さって大丈夫です。
②ベースを塗る
①で作った線画レイヤーの下に新しいレイヤーを作成し
ベース色を塗っていきます。
この時バケツ塗や、べた塗ペンなどでざっくり塗っていきます。
細かく塗らずに色をおくイメージで。
色の選び方が分からなかったらお手本の写真などでスポイトしてみるといいかもしれません。
③影の色を塗っていく
影の色を②のレイヤーにクリッピングをして塗っていきます。
この時、一番暗くなる箇所にはベースカラーよりも明度を最低30ぐらいは差をつけた色を置いてください。
上の絵で言うと口周りの白(グレー)と顎下のグレーがそれぐらいです。
影塗するときはどこから光が照っているのかをメモ取っておくと忘れずに塗れるかと思います(上の絵だと上に矢印があると思います)。
④明るい色を塗っていく
③のレイヤーの上にレイヤーを作成し、クリッピングをして明るい個所を塗っていきます。使用ブラシはベタ塗ペン。
明度は一番暗い個所と50ぐらい離れるようにします。
上の図で言うと頭のてっぺんの黄色と、茶色のくらい部分の色ですね。
明るい個所を塗っていったら全体のバランスを考えながら、影やらベースやら調整します。
そして、①~③で描いたレイヤを統合します。
⑤自分のテンションが上げる個所から塗る
モチベーションを上げるために、テンションが上がる箇所から塗っていきます。
ここからブラシを変更します。
使用しているブラシはPS-lack筆か、lack万能筆(画集でついていたCD-Rのもの)を使用しています。
私の場合は目を描くのが一番テンションが上がるので
上の絵でも目から描いています。
犬や猫、女性などもそうなのですが目周りのアイラインを描くととってもテンションが上がります。
またリアルに描くときは
粘膜がある箇所は光を強く反射しやすいので、
白色のハイライトを置くとヌルっとした感じが出てリアルさが増します。
犬だったら
目、口、鼻、場合によったら舌
この辺りが該当します。
テンション上がる箇所を塗っていったら色を置いた箇所を塗りこみしていきます。
⑥描きこんでいく
線画の線を塗りつぶしながら塗った色を伸ばしていったり、色をつけ足したりします。
この時も画像は拡大しないでナヴィウィンドをチェックしつつ描いていきます。
この時、陰影にコントラストがついているか、形としてちゃんと犬として認識できるのかなどをチェックしつつ大きいサイズのブラシで塗っていきます。
色は影になると少し彩度を上げるように変化させています。
またこの時、パーツの位置を修正したいなどをしたときは塗っているレイヤーをコピーして上にはりつけ張り付けたレイヤーで切り取り貼り付けで位置調整します。
こうすることで、切り取りで移動させた後の隙間を下のレイヤーが埋めるので統合してから塗りこめば透明な箇所などができないので楽です。
⑦映り込みや反射光を描きこむ
瞳や、鼻、舌、牙、口等の映り込み、ハイライトと地面からの反射光を描きこみます。
この段階になると、ブラシは少しサイズは小さくします。
ただ、描きこみは小さくやると後で修正が沢山出てきたときに二度手間になるのでできるだけ小さいサイズにしません。
瞳の映り込みは空の映り込みなので通常レイヤーで色をピックしてもいいのですが、私はそこまで色使いが得意ではないので瞳の映り込みは加算発光レイヤーで薄い青色をピックして塗り、透明度を調整して統合します。
また体の反射光は焼き込みカラーレイヤーを使用して下からの草の反射光を意識して色を塗っていきます。
顔回りよりも後ろは今回はガウスでボケさせるのでそこまで描きこみは必要ではありません。
⑧柔らかさをシルエットで出すためエアブラシでシルエット部分に吹き付ける
画像を誤って消してしまったので画像がないのですが、耳や頭頂部、胸のあたりにフラッフィー感を出すために柔らかめのエアブラシで色を着色します。
色はスポイトで吹き付けます。全体をやりすぎるとぼやけてしまうので全てに吹き付ける必要はありません。
ここでぼかしをしなくてもガウスぼかし機能を上手く使いこなせる方は最終段階でそちらを使うのもありかと思います。
⑨毛の流れを描いていく
陰影ができたら次は毛の流れを描いていきます。
⑧でエアブラシで吹き付けた箇所に毛の線を描きます。
その際は絵の下の方にあるような一筆で数本描けるようなブラシを使用しましょう。サイズもまちまちに使う事で、自然な感じに仕上がります。
集中的に顔と顔回り、コントラストのでている部分に描きこみます。
そうすることで粗密もでき不必要な描き込みを避けます。
でも描きこみたかったら立体を意識しつつ描きこみましょう。
⑩背景を描く
背景は2種類描きます。
犬よりも前にある”前景”
犬よりも後ろにある”後景”
”前景”はぼかすので丁寧に描かず大雑把な形と、陰影がわかるレベルで描きます。質感までは気にしなくても大丈夫です。
”後景”は”前景”より小さく見えるのでここもざっくり描きます。あえて意識するなら光が当たっている箇所とそうでない個所を意識するぐらいで後は、ブラシ(草ブラシ)などで描いていくと手間が省けます。
⑪レイヤーを統合しぼかし機能でぼかしていく
後景とキャラクターレイヤーを統合し、そのれいやーをコピーをとります。
コピーをとったレイヤーをガウスぼかし20~30でぼかしを全体にかけ、マスクをかけます。
一番フォーカスがあってほしい個所(このイラストだと顔まわり)をマスクをやわらか消しゴムなどで削っていきます。
この時、顔回りでも端っこの方はぼかしがかかっている方が、人の目で見たときのように、フォーカスが当たっていない端の部分がぼかしが入っているとより、リアルに見えます。
⑫前景をぼかす
前景で描いた草をガウスぼかしを50ぐらいかけてぼかします。
こうすることで前景・中景・後景ではなくフォーカスが中景のキャラにあうようになります。
⑬光の粒を飛ばす
チンダル現象と書いていますが要は光の粒(埃が光を受けてるもの)を飛ばして視線誘導などもかねてリアル感を増させます。
加算発光レイヤーでやると見やすいかもしれませんが、ハードライト等でもOKです。
⑭空からの環境光を描く
青空のの影響を受けるので加算発光レイヤーで青色の色を上からかけます。
この時ははっきり出るようにするのではなくてうっすらと出るぐらいを意識して透明度を調整します。
⑮トーンカーブでコントラストを調整
ここはコントラストを加えるためにS字になるように最後調整します。
⑯引きで見て形やコントラストができてるか確認
確認をして問題なければ完成!!お疲れさまでした!
最後に絵を描くうえで思う事
細かいところは見ているとどこまでもできちゃうので、ひきで見て自分でOKと思ったらそれでいいと思ったら完成で言っていいと思います。
本当に細かいこだわりは描いている側はすごいぞと思っていますが、見る側に気づきづらい事が多いので、引きで見たときコントラストが付いているのか、大まかなバランスは崩れていないのかなど、引きで見たときにチェックするといいかなと。
あと、今回のイラストが完成と思ったら、別日に見たときにおかしいと思う事が多々あると思います。
その場合は自戒の作品作りの課題として引継ぎをすることをお勧めします!
でないといつまでも完成できなくて、長くその作品とついている分、体力と精神力が続かないからです。
サラリーマンでやっている仕事でも思った事なのですが、完璧に最初からできないので、7~8割できたらOK!!
ブラッシュアップするのはその後にするか、次回の課題にするって割り切りすると、新しいイラストも描けて良いかなと思います。
最初からリアルに描こうとすると結構きついので最初はこんな感じのタッチでもいいと思います。
↓私のサブ垢で描いている練習(ジェスドロとして描きました)
リアルに描こうとすると
沢山の色を使わないといけない
細かくかかないといけない
骨格を勉強しないといけない
陰影を意識しないといけない
なんて『いけない』ばっかり考えたりすることがあると思うのですが
『いけない』なんて基本的にないんです。
『いけない』って思ってるのは自分だけで、人がたとえ言っていたとしてもその人の意図として伝わって自分が解釈しているかなんてわからないからです。
なので、自分が『やりたい』って思ってる所からちょっとずつ進めていったらいいと思うのです。
その方が楽しいし、勧められる。
絵を見て『不自然』などの指摘をしていただけることもありますが、
現段階ではその『不自然さ』を自分では解消できないので、その方には「ありがとう」とお礼だけ述べて、私は忘れます。
どうせいつか自分自身がその『不自然さ』に気づいて修正するのでw
絵も人生も自分が『やりたい』って思う事から進めていけばいいと思います。
と長々と最後描きましたが、絵を描く人が一人でも多く、長く増えて続きますように!
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