FCFの80%という概念

仙台で税理士法人スクラムマネジメントの役員をしている植松というものです
日々の出来事を徒然なるままに記載します

FCF(フリーキャッシュフロー)の80%という言葉をどれくらいの経営者が聞いたことがあるのだろうか
あまり出くわさない方が良い

FCFは営業CFから通常必要とする設備投資を除いた金額である。
FCFの80%というのは、金融機関が使う言葉であり、借入金を通常の約定通り返済できなくなった会社に対して「最低でもFCFの80%は返済に回してください」という意味で使われる。いわゆる「リスケ」の場面で使われる

なんでFCFの80%なのかはわからない。通常そうであるという慣例なのであろう。
では、残りの20%は何に使うかというと、あるべき現預金残高への現金の積み上げや今後発生する大きな修繕、設備投資のためのキャッシュプールのために使うことになっている。

リスケの場ではFCFの80%はよく耳にするし、返済計画で当然のようにFCFの80%で計画する。
ただ不思議なことは、このFCF80%の経営ルールは経営危機に瀕して、リスケの場面になるまで出てこないことだ。新規借入の際など金融機関からこの言葉を口にすることなど聞いたことがない。

FCF80%は経営再建にあるときだけに当てはめるルールではなく、このルールに基けばおおごけしないというものであるので、積極的に使って行くべきである。

期初に必ずPLでの経営計画を立てる。そのPL計画からCF計画を立てる。そこから設備投資計画を立てて、通常の設備購入か新規の設備購入かに分け、通常の設備購入はFCFの計算に含め、新規の設備購入はFCF20%の範囲で行えるかを検討する。
FCF20%で行えない場合、借入を行う必要があるが借入の返済はFCF80%の範囲に収まるのか、新規設備投資でFCFは増加するのかを検討していく。

こうすることによって、おおごけしない経営ができることになる
経営の方法、スタイルは経営者ごとに異なる。
私は負けない経営が重要だと思う、長い経営が重要だと思っている。
そのためにはこのルールが鉄則である。

このルールに基づく経営のことをキャッシュフロー経営と私は呼んでいる

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