彼女が欲しい

気づけば今年で25歳。アラサーの入り口である。

Twitterのリア垢を覗けば、昔同級生だった野郎どもの「結婚しました」「子どもが産まれました」報告が流れてくる。

リア垢の私の最新ツイートが「モンストで5000円当たった」であることは隅に置いておき、そろそろ彼女が欲しい。

最後に彼女が出来たのは7年前、高2の秋である。(ちなみにその彼女は、現在ホスト狂い)

彼女を『ゲット』する。つまり、『狩り』において必要なことは、『敵(相手)』を知ることだ。

例えば、夜行性であるカブトムシを捕まえるためには夕方過ぎか朝方に『狩り』をする必要がある。それを知らずに昼間にカブト狩りしても、かなり厳しい結果となるだろう。

中国の孫子も、「敵を知り、己を知れば百戦危うからず(自他研究すりゃ大勝ち)」と言っている。

では、どうやって『女』を知るか。『女』を教えてくれる女なんぞ、周りにはいない。いたら彼女出来てるし。

そこで私は考えた。すると天才的なヒラメキが降ってきたのである。

「自分が女になればいいんじゃね?」

もちろん、女装趣味はない。まあ人生経験として一度経験してみるのはありだけど。

そんなことをせずとも手っ取り早く女になる方法がある。

そう、『ネカマ』である。ネカマとは、インターネット上で女のフリをする男のことである。

思い立った私はすぐさまFF14(MMOゲーム)を起動し、ポニーテールの可愛いミコッテ(猫人間)を作成した。

そしてFF14のススキノと呼ばれる「パンデモニウム 園芸師ギルド前」に降り立った。

降り立ってすぐ、とある兎男に話しかけられた。

「こんにちは!1245いいですか?」

は?1245ってなんやねん。12:45まで話そうってか?

疑問を持った私はネットで『1245』の意味を調べた。すると、非常に面白い言葉であることが判明した。

『1245』とは、3が無いことから、3抜き、つまり「見抜き」を意味し、キャラを見ながら自慰行為をする隠語である。

草。面白すぎる。なんだこの世界は。思わず私は晩年発情兎に「いいですよー♡」と言ってみた。

すると始めたではないか。自慰行為を。

相手は

「おっきくなってきました…。」「下着姿になれますか…?」「みられてるかと思うと…」「あっ…」

と言ってくる。

きっしょ。きしょすぎてたまんねぇなおい。

たまらず私はネカマ垢をTwitterに作成し、きっしょい奴らをフォローしまくった。

哲学者のニーチェは「怪物と戦う者は、その際自分が怪物にならぬように気をつけるがいい。 長い間、深淵をのぞきこんでいると、深淵もまた、君をのぞきこむ。」

と言ったもんだが、今振り返ると、この時すでに私は深淵に取り込まれ、怪物になってしまっていたのだ。

ネカマ垢を1週間ぐらい稼働してるうちに、とある1通の画像がDMに届いた。

DMを開くと、そこに映ってたのは「ちんこ」である。

これがチン凸ってやつか!!!!!!!!

初めての経験は楽しい。嬉々として私は凸野郎に

「立派ですね💕」と送った。たいして褒める場所がなかったから。細いし小さいし。

すると相手は「また送ります♡」と返してきた。

いらねえよカス。

それから別の人にもチン凸され、合計7本のちんこが届いた。

チン凸されて不快感を覚えないのか?と思う方々がいるかもしれないが、私は快感を感じている。

それは何故か。そう、送られてくる写真は全て私より「ちんこ」が小さいからである。

故に私は、チン凸される度に優越感に浸ることが出来、気持ち良いのだ。

1本だけ、こいつデケェな⁈と思うちんこがあったが、長さを聞いたところ私より2cm小さいちんこだった。危ない。危ない。

しかしまあ、ちんこの写真を送ってくるのはキモい。加えて、今お話できますかー?ってDMを送ってくる奴もキモい。

何故、後者がキモいかというと、お話しできますかー?の中に(ムラムラしてるから、エロい話をして、それをオカズに抜きたい)の意味が含まれているのが、ビンビンに伝わるからである。

だったらまだ、「ヒャッハー!姉ちゃんのケツ揉みにきたぜ!ケツだしな!」のほうが5億倍好感度が高い。

つまりだ、女になってみて改めて感じたことだが、下心があるコミュニケーションは結構相手に伝わるし、クソキモいのだ。

『文字』という1つのコミュニケーションツールだけでもキモさが伝わるのに、社会生活の中では、これに「視線」や「話し方」が加わる。

であれば、下心なんぞ、すぐ女に見抜かれるのではないだろうか。

彼女、いやまず女性と仲良くなるには下心を取っ払う必要があるのだ。

彼女ほし〜。彼女作ってセックスして〜。じゃダメなのだ。

じゃあどうやって下心を無くすかって?

それはもう、女性と会う前に毎回トイレでシコるしかないだろ。

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