#007 さいとうまきさんワークショップ『じゃばら絵本をつくってみよう!!!』に参加してきました。
3月9日(土)、新宿タワーパークで開かれた、さいとうまきさんワークショップ『じゃばら絵本をつくってみよう!!!』に参加してきました。
私も息子も大満足の素敵なワークショップでした。
楽しいだけでなく、プログラムの内容、齋藤槙さんの言動、作品などから多くのことを学ばせていただきました。
(※本記事の内容は、齋藤槙さんご本人に掲載許可をいただいています。)
『ぺんぎんたいそう』で準備体操
まずは、『ぺんぎんたいそう』で準備体操。
初めは、齋藤槙さんの読み聞かせで。
次に、動画に合わせて。
最後は、楽器の生演奏を加えた豪華バージョンで。
身体を動かすと楽しい気分になってきます。
初めに『ぺんぎんたいそう』で準備体操をするのは、おはなし会などでも使えるアイデア。
身体を動かすことで、心も開放されていきます。
齋藤槙さんと幼児さんたちが音楽に合わせて踊っている動画は、YouTubeで見ることができます。
じゃばら絵本をつくってみよう!!!
じゃばら絵本のお手本を見せて、実演しながら丁寧に作り方を教えてくださいました。
齋藤槙さんがおしゃべりしながら描いたふくろうが、可愛らしかったです。
短時間でさっと描いたイラストでもすごく上手で、「画家さんはすごいなぁ。」と、改めて思いました。
説明を終えた後に、「何か質問がある人はいますか?」と、聞いてくださる齋藤槙さん。
息子が挙手。
何を質問するのだろうかと見守っていると、「どうやって作るんだっけ?」と。
父としてはびっくりな質問でしたが、笑顔で対応してくださいました。
主人公をシンプルな形で、折り紙で作るというのは、絵が苦手な人や小さな子どもでも楽しく取り組める素敵なアイデアだなと思いました。
色鉛筆などで描くのに比べて、中を塗りつぶす必要がないので簡単で、目や口などそのキャラクターの特徴的な部分を描き足すとそれっぽく見えてきます。
作品が完成すると、「おめでとうございます。すごーい。よく頑張ったね。」と、温かい声をかけてくださいました。
個人的には、「おめでとうございます。」という声かけが、心に残りました。
作品作りの大変さも知っている齋藤槙さんだから出た言葉なのかなと思いました。
子どもにとっても、時間をかけて一生懸命作った作品が完成したわけなので、「おめでとうございます。」と、喜びに共感する姿勢は素敵だなと感じました。
作品紹介
息子の作品
私の作品
サイン会
参加者一人ひとりとお話しながら、一冊ずつ、丁寧にサインをなさってくださいました。
絵本によってサインが違っていてびっくりしました。
どれも可愛らしいです。
お土産と書評
一人に一冊『ながーい はなで なにするの?』をプレゼントしてくださいました。
子どもの象とお母さんの象。
子どもの象の言葉で初めから終わりまで、物語は進んでいきます。
子どもの象は、「みてみて」と、長い鼻を使って草を集めて食べたり、水を飲んだりしてみせます。
お母さん象に温かく見守ってもらい、子どもの象は嬉しそうな表情を浮かべます。
水に溺れそうになったり、砂が目に入ってしまったりと、上手くいかないことがあっても、お母さんと一緒なら大丈夫。
最後は、お母さんの力を借りずに、自分の力でバナナを取ることができ、子どもの象の表情には喜びが溢れます。
できるようになったことを見てほしいのは、人間の子どもたちと同じ。
象が鼻を使ってすることを学べるという科学絵本としての面だけでなく、見守り、共に遊び、いざという時には助けるといった親の子どもへの関わり方を描いた子育て本の面も感じられます。
お母さん象の愛情溢れる温かな目、愛情を受取って子どもの象の嬉しそうな目を見ていると、こちらの心も温かくなります。
前半は2場面1単位の場面展開が繰り返されて、物語にリズムが感じられます。
「ながーい はなで まあるく あつめて……」など、ページターナーも散りばめられており、自然と次のページをめくりたくなります。
象が草を集める「しゅっしゅっ さっさっ」という音、砂浴びをする「ざっぱあっ」という音など、多様なオノマトペが使われていて、読む心地良さも感じられます。
第11見開き、子どもの象が鼻を伸ばしてバナナを取ろうとする場面では、「もうすこし」という文字がだんだんと小さく書かれていて、子どもの象の一生懸命さが伝わってこちらにも力が入り、呼吸するのを忘れて読んでしまいました。
齋藤槙さんの絵は、色がとても美しくて、見入ってしまいます。
(『ぼくの いしころ』 文:中村文 絵:齋藤槙 福音館書店 2021年 「ちいさなかがくのとも」通巻235号 の色もとても素敵でした。)
表紙にも見える象の身体の色だけでなく、水の色、木の色など、細部まで丁寧に彩られています。
個人的には、特にお母さんの象が子どもの象にかけてあげる水の美しさに心奪われました。
現実的な物語なのに、幻想的な美しさも感じました。
写実的だけど、実物よりも美しく、可愛らしく見えます。
気づき
創作活動って、自由で、楽しいもの。
(技能があればより楽しめるけれど、)技能を身に付けるためのものではない。
創作活動での満足感が、次の創作活動への意欲になる。
指導者の「こう作ってほしい」を手放し、作品づくりを共に楽しむ。
家に帰り、息子は作った絵本を妻と次男(1歳)に得意げに読み聞かせしていました。
『ながーい はなで なにするの?』の子どもの象のように。
父親として、教師として、子どもの創作活動への関わり方を考える良い機会になりました。
齋藤槙さん、運営スタッフの方々、ありがとうございました。
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