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12月26日で満1年

 あれからもう1年か。今年はとにかく早かった。

 昨年の12月26日、わたしは25年ぶりにヨーロッパに出掛けた。ニースとアヴィニヨンを中心とした南フランスと、スペインのバルセロナに行く旅だ。12月26日に出国して、1月7日帰国だから、一般の海外旅行と比べると少し長めだ。旅しているあいだは気にかけずに済んだが、帰国してからは新型コロナウイルスの感染拡大で普通に海外に出られる状態ではなくなった。南フランスのイタリア国境の町から見たイタリア北部はコロナで大変なことになった。わたしが訪れた南フランスの都市や村、スペインのバルセロナもひっ迫した事態となった。訪れた先々の風景と、宿泊したホテルで親切にしてくれたスタッフの方々や、現地での小旅行に出る際、クルマを運転しガイドをしてくれた人、出会った旅人たち・・・。あそこで交わした言葉と、向けてくれた笑顔の人々。その後、どうしただろうと、思わないわけはなかった。まだそのときの記憶が鮮明なのにもう1年たとうとしている。

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 ニースの中クラスのホテル(Mercure Centre Notre Dame)。とてもカジュアルで、フレンドリーなスタッフ。朝食はとても素晴らしいビュッフェ。コロナのもとでは、ビュッフェで料理やフルーツ、サラダ、パン、飲み物も小分けして取ることはできないのだろうな。アヴィニヨンの創業100年を超える、クラシカルでブリテッシュ・スタイルの小ぶりなホテル(Bristol Hotel)の誠実にしてやさしいもてなしぶり。クルマなしではいきにくいプロバンスの村々を案内してくれた方。その皆さん、それぞれに、つらい一年だったろうと思う。

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 だれが、こんな1年がめぐってくると思っただろう。旅のあいだ、フランスは国鉄のストだったので、乗ろうと思っていた列車がキャンセルになったり、何時間も寒い駅のベンチで列車を待ったりした。そして元日の早朝、バルセロナ行きのTGVに乗ろうと、暗いうちにホテルを出たのに、列車はキャンセルされていて、もう一度、ホテルに戻った1月1日。とんでもない一年の始まりだとは思ったが、それがまさか、こんな1年になるなんて。

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バルセロナ郊外のモンセラットの山では、いっしょに尾根を歩いたスペイン人の若者、ブラジルからの若者。それぞれの笑顔がはじけていた。つい最近の出来事のような思い出だ。それぞれに、みんなどうしている?

来年は、いい年にしたいね。


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