私からの最後の警告

最強の謎。
皆さんも一度は「カエルの合唱」という曲を耳にした、もしくは歌ったなんて事があると思うのだが、この曲実は

「カエルの歌が〜 聞こえてくるよ〜 
クワ クワ クワ クワ ゲロゲロゲロゲロ 
クワックワックワ!」

そう。「カエルの合唱」と題してとおきながら、
この歌の実際にカエルが歌ってる部分は「ゲロゲロとクワクワ」のみ。
カエルの合唱よりも、カエルの合唱の説明の方が長いのである。
もはや「カエルの合唱」なんて題さず
「カエルの合唱説明会」とか、音楽の範疇を超えた所でやるべきとすら思う。

たしかに「あの説明は『ケロとクワ』しかないカエルの歌を、冒頭でキチンと説明しておくという意味で大事なパートなんだよ」という反論が聞こえそうなものだが、一度考えて見てほしい。
「カエルの合唱」を聴きにくる人間の大半は「カエルの歌」として聴きに来ているのである。
つまり、「カエル」の歌を聴きに来ている人間に対して「カエルの歌が聞こえてくるよー」って改まって人語で説明された所で戸惑うしかないのである。

考えてほしい。普通の歌手。例えばVaundyは、曲のはじめに「Vaundyの歌が〜聞こえてくるよ〜」と説明したりはしない。
美川憲一が「さそり座の女」の前奏で「美川憲一の歌が〜聞こえてくるよ〜』なんて自分で説明しようものなら、続く歌詞が「いいえ、私はさそり座の女」になっており、即座に自ら否定してしまうことになる。しかも、「私」を明確に美川憲一としてしまってる為、カエルの合唱形式の説明前奏を入れてしまうと、もはや「さそり座の女」は「おうし座の男」で、普通に嘘なのである。
これで皆さんもカエルの合唱の前奏の異様さを身に沁みて感じてもらえた事だと思う。
だが、恐ろしいことにもうひとつ最強の謎がこの歌には隠されている。

先ほどから散々指摘している前奏。
「カエルの歌が聞こえてくるよ」。

ずっとこの説明しているコイツは誰なのか。

「聞こえてくるよ」と言っている以上、歌ってる当人なのは不自然である。
そのため、「カエルじゃない別のMC的な人」という考えに至りそうなものだが、
考えてほしい。メインMCが歌いながら説明する。Mステでタモリさんがそんなことをしていた事があっただろうか。

「MCならライブとかで歌手自身が『次の曲がラストの曲になりました』的な感じですることもあるのでは?」という反論が返ってきそうなものだが、
皆んながまず想像するライブは基本、単独ライブであり、自分の歌に対して「歌が聞こえてくるよ」という、歌手じゃない第3者が最初に歌い出しとるテイにしてるのは流石に痛すぎはしないだろうか。
ただ、安心してほしい。
今回、私はこの曲を一番自然にする方法を考えてきた。
冒頭で指摘したように「カエルの合唱説明会」にするのも一つの手である。
しかしそうなると、音楽の範疇を超えてしまう。

そのため、題名を「カエルの歌観測」にし、最初のイントロ部分をあまり説明ぽくせずに、ストーリー性をもたせるのである。

(天体観測のイントロ風)
午前2時 水田に 双眼鏡を担いでった 
ベルトに結んだラジオ 雨は降らないらしい 
2分後に 君が来た 大袈裟な荷物背負ってきた 
始めようか カエルの合唱観測 
ゲロゲロクワッを探して 
多すぎる音に飲まれないように 
精一杯だった 予想以上に多い声を
聞き分けようとした あの音は 
ゲロゲロゲロゲロ クワックワックワ!