31. 二つ組んで綺麗に投げるだけが柔道じゃない
二つ組んで綺麗に投げるだけが柔道じゃない
~はじめ~
①試合で勝つことに特化する
②綺麗に投げることができるのは力の差が開いている時がほとんど
③試合で勝つ=綺麗に投げるという思考にするのは危険
~せつめい~
【①試合で勝つことに特化する】
まずは試合で勝たないことには選手の自信もつきません。
綺麗に投げれたらそれは誰だって気持ち良いし
僕もできるなら全試合一本勝ちしたいです。
でも柔道は相手がいるスポーツなので相手も投げられないように頑張っています。
僕が若い世代の選手にアドバイスするなら『まず今のルールの中で勝つことを考え
て』
と言いたいです。
柔道の競技で優勝者は試合当日に一人しか生まれません。
そして自分がいつでもやりたいときに試合ができるわけでもありません。
だから自分が普段から練習していることを試したりやってきたことが正解なのか答え合わせする場所が試合しかないのです。
だからまずは試合で勝つことに特化する。
勝てば自信もつくしモチベーションも上がる。
そのためには毎日何をすればいいのか。
どんな練習が必要かな?どんなトレーニングをすればいいのかな?
それを考えることが大切です。
【②綺麗に投げることができるのは力の差が開いているケースがほとんど】
これは改めてはっきり結論から言います。
⑴『綺麗に投げることができるのは力の差が開いているケースがほとんど』です。
もちろんそうじゃない時もあります。
でもそうじゃない時もある程度相場が決まっていて
⑵『対戦する選手同士の柔道スタイルの相性が合うか合わないか』
僕の経験上ほぼこの2パターンです。
日本の軽量級の選手を例に出すと分かりやすいです。
-73kgまでの階級は日本・モンゴル・韓国などのアジア圏の選手が強いです。
それはなぜかというとアジア人の骨格が-73kgまでの体重に適しているからです。
ヨーロッパ人は骨格が大きいので軽量級だと戦いづらいのです。
だから適正体重&投げる技術の高い日本人は-73kgまでの階級だと非常に強いで
す。
日本の選手で例をあげれば
-73kgは大野将平選手・橋本壮市選手、-66kgは丸山城志郎選手・阿部一二三
選手
-60kgは高藤直寿選手・永山竜樹選手
こんなに一つの階級に全員が世界チャンピオンになる実力があってバンバン相手を投げる選手が揃っている国なんてないし異常なことです。
これを基準にしちゃいけません。
ただこの選手達が目立っているのは個人の強さはもちろんですが
周りの海外選手もそれなり弱いという現実があります。
この要素がある限りアジア人が軽量級で強い時代はしばらく続くと思います。
もちろん柔道は正解がなくて例外もあるので
こういう場合がほとんどなんだっていうスタンスで聞いてください。
僕はとにかく強くなりたい若い選手に現実を知ってもらいたいという気持ちが強いだけなので。
ちょっと話がそれてしまったので②はこの辺で終わります。
【③試合で勝つ=綺麗に投げるという思考になるのは危険】
だから②で解説した要素があるということを若い選手は理解してください。
もちろん軽量級でトップの実力がある選手は継続して自信を持って競技を続けていけばいいと思います。
でも柔道は現在7階級あるのでそうじゃない選手もいます。
重量級は海外勢の方が強いです。
それは知っておいた方がいいです。
あと一昔前の世界の柔道のレベルは低かったから日本でトップの実力=世界でトップの実力でした。
今はSNSの発達や毎年の世界選手権の開催に加えて国際大会の試合数も非常に多いです。
だから投げることに重きを置きすぎてしまうとすぐに対戦相手に研究されて
あっという間に試合で勝てなくなります。
メディアとかテレビは『日本柔道は二つ組んで綺麗に投げるのが日本柔道』みたい
な感じで
報道しますが、それはごく一部の限られた階級だけということを知ってください。
綺麗に投げることが試合で勝つことなんだと認識してしまうと
綺麗に相手を投げてもそれが『技有り』止まりだった場合
試合で勝つために特化して練習している選手に簡単に逆転されてしまいます。
なので
分かりやすくポイントを3つくらいでまとめると
↓↓↓
①まずはルールをしっかり理解して試合で勝つための練習をする
②現在の柔道はそんなに簡単に相手を投げれる競技じゃない
③試合を優位に進めることで初めて相手を投げるチャンスが生まれる
上記のようなことを理解して、しっかりイメージして柔道に取り組むことができれば勝率は上がるし
高いレベルで柔道ができるようになると思います。
~おしまい~
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