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認知症の方が利用できる端末を探してみた

現代のスマートフォン(iPhoneやAndroid)は本当に凄いと思います。
機能も容量も価格もスピードも、1995年頃のインターネット黎明期には考えられない夢の様な高機能なデバイスが、低価格で世界中に普及しています。
でも、認知症の方はこの高機能なデバイスを使うことは出来ません。認知症の方がスマートフォンの便益を得るためには、家族などが操作してあげる必要があります。
例えば、認知症の方がスマートフォンのOSで家族とビデオ通話する方法はないのでしょうか。
介護機器の展示会(東京ケアウィーク’23)を訪ねた時、私の一番の興味はこの点にありました。

印象深い記憶があります。
沢山の監視カメラと暮らすご利用者様。
「その内ご家族の顔が壁のモニタに現れて会話するようになりますよ」とお話しして2人で笑いました。
個人的にzoomの会議や講義に出るようになった頃でした。技術はある。ニーズもある。すぐにそうなるだろう、と思っていました。

でも、なかなかそう言う製品のニュースはありません。何故だろう?と思います。
家族が遠隔で認知症の方の端末を操作する為には、遠隔で電源オフからオンにして起動する、常駐プログラムが必要です。ソフトウェア開発のプロの方に伺うと「デーモンプログラムは普通だよ」と事も無げに話すのですが…いやいやなかなか、それって難しそうに思います。OSにアクセスしなければならず、通常のプログラムとはだいぶ違うんじゃないだろうか…

東京ケアウィーク’23を見て回った限りでは、家族が遠隔から要介護者のiOSやAndroid OSタブレット端末を操作する様な展示は、ありませんでした。 テレビ会議的な方法でお見舞いや見守りする展示はありましたが。誰かしら機器を操作できるのが前提の製品が多かったです。 そんな中…

NTT DATA様のボイスタ!は、認知症の親と遠隔からビデオ通話を実現する、というイメージに近い製品だと思いました。 導入費用もそれ程高く無い様なので、自分の親の為にも、興味深い製品です。

ボイスタ!® | 画面付きAIスピーカーを使ったシニア向けサービス (nttdata-voista.com)

先に書きましたが、遠隔から親のスマートフォンやタブレットを操作するには、常駐プログラム(デーモンプログラム)が必要ですが。セキュリティやプライバシーの問題があり、OSメーカーの許可が出にくいのかも知れない、と思います。その辺りの課題があるから、そういう製品が無いのかな、と感じました。 ボイスタ!は電源常時ONな仕様との事。

例えば電話がかかってくる。スマートフォンは自動でオンして音を鳴らしたりバイブレーションで知らせたりします。類似の機能は技術的にはOSに搭載されています。
リモートデスクトップソフトウェア という技術を利用して、汎用のPCやスマホ利用して遠隔から高齢の親の見守りが出来ないか、テストしてみました。TeamViewer無料版。有料版は月に3000円超えるので、別な有料サービスが優位になるので、無料版で試してみます。

悪意のある人に侵入されると何でも出来てしまうので、家の中でも割と使わずに眠っているPCと自分のiPhoneで通信。iPhoneからパソコンは操作可能。電源シャットダウンも可能でしたが。電源オンが出来ませんでした。あらかじめパソコン側を通信できる状態に、準備しておく必要がありました。

パソコンからiPhoneは操作できませんでした。TeamViewer quick supportも試しましたがダメでした。スマホ画面が録画されると言う謎の動きがパソコン側から見えただけでした。 もっと遊んでみたいけど、あまり可能性は感じませんでした。
iPhoneが操作出来なかったのは、結果としては残念ですが。それだけアップル社のセキュリティが固いのだと感じました。

話しは展示会で知った「ボイスタ!」に戻ります。ボイスタ!はテレビ電話も、遠隔からの見守りも可能な製品とのことで、とても興味を持っています。ホームページ資料やNTT DATA様に伺った情報を記載します。
⚫︎初期費用は端末購入費用で3万円ほど
⚫︎月々1000円ほど必要
⚫︎エアコンなどのリモコン操作はオプション購入が必要で本体だけでは出来ない
⚫︎LINEなどのメッセンジャー機能は無い
⚫︎テレビ電話は音声で受けられる
⚫︎ホームカメラ機能で見守りが可能。監視カメラ同等







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