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読書ノート#64 嫌われる勇気

【人は常に『変わらない』という決心をしている】
たとえば、『私は悲観的な性格だ』と思い悩んでいる人がいたとしましょう。その言葉を『わたしは悲観的な“世界観”を持っている』と言い換えてみる。
人はいつまでも、どんな環境に置かれていても変われます。あなたが変わらないでいるのは、自らに対して『変わらない』という決心をしているからなのです。
 
アドラーの心理学は勇気の心理学です。あなたが不幸なのは過去や環境のせいではありません。ましてや能力が足りないのでもない。あなたには、ただ“勇気”が足りない。いうなれば『幸せになる勇気』が足りていないのです。
 
 
【あなたの人生は『いま、ここ』で決まる】
『もしもYのような人間になれたら、幸せになれる』といいました。そうやって『もしも何々だったら』可能性のなかに生きているうちは、変わることなどできません。なぜなら、あなたは変わらない自分の言い訳として『もしもYのような人間になれたら』といっているのです。
 
アドラーの目的論は『これまでの人生になにがあったとしても、今後の人生はどう生きるかについてなんの影響もない』といっているのです。自分の人生を決めるのは、『いま、ここ』に生きるあなたなのだ、と。
 
 
【なぜ自分のことが嫌いなのか】
なぜあなたは自分が嫌いなのか?なぜ短所ばかり見つめ、自分を好きにならないでおこうとしているのか?それはあなたが他者から嫌われ、対人関係のなかで傷つくことを過剰に恐れているからなのです。
 
 
【劣等感は、主観的な思い込み】
われわれを苦しめる劣等感は『客観的な事実』ではなく、『主観的な解釈』なのです。
 
 
【言い訳としての劣等コンプレックス】
アドラーは『見かけの因果律』という言葉で説明しています。本来はなんの因果関係もないところに、あたかも重大な因果関係があるかのように自らを説明し、納得させてしまう。
 
もし、『わたしは学歴が低いから、成功できない』と考えているとすれば、それは『成功できない』のではなく、『成功したくない』のだと考えなければなりません。
 
 
【自慢する人は、劣等感を感じている】
『AだからBできない』といっている人は、Aさえなければ、わたしは有能であり価値があるのだ、と言外に暗示しているのです。『AだからBできない』という劣等コンプレックスでも我慢できない。『できない自分』を受け入れられない。そうなると人は、もっと安値な手段によって補償しようと考えます。あたかも自分で優れているかのように振る舞い、偽りの優越感に浸るのです。
 
 
【非を認めることは『負け』じゃない】
人は対人関係のなかで『わたしは正しいのだ』と確信した瞬間、すでに権力争いに足を踏み入れているのです。そう思った時点で、議論の焦点は『主張の正しさ』から『対人関係のあり方』に移ってしまいます。つまり、『わたしは正しい』という確信が『この人は間違っている』との思い込みにつながり、最終的に『だからわたしは勝たなければならない』と勝ち負けを争ってしまう。主張の正しさは勝ち負けとは関係ない。あなたが正しいと思うのなら、他の人がどんな意見であれ、そこで完結するべき話です。謝罪の言葉を述べること、権力争いから降りること、これらはいずれも『負け』ではありません。
 
 
【『あの人』の期待を満たすために生きてはいけない】
われわれは『他者の期待を満たすために生きているのではない』のです。他者もまた『あなたの期待を満たすために生きているのではない』のです。
 
 
【『課題の分離』とはなにか】
あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと、あるいは自分の課題に土足で踏み込まれることによって引き起こされます。われわれは『これは誰の課題なのか?』という視点から、自分の課題と他者の課題を分離していく必要がある。
『馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない』自分を変えることができるのは、自分しかいない。
 
 
【対人関係の悩みを一気に解消する方法】
『自分の信じる最善の道を選ぶこと』その選択について他者がどのような評価を下すのか。これは他者の課題であって、あなたにはどうにもできない話です。上司から認めてもらうことは、あなたの最優先で考えるべき『仕事』なのでしょうか?仕事とは社内の人間から気に入られることではないはずです。他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない。
 
 
【ほんとうの自由とはなにか】
『自由とは他者から嫌われることである』他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを恐れず、承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない。『嫌われたくない』と願うのはわたしの課題かもしれませんが『わたしのことを嫌うかどうか』は他者の課題です。幸せになる勇気には『嫌われる勇気』も含まれます。
 
 
【無意味な人生に『意味』を与えよ】
世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、ただ『わたし』によってしか変わりえない。

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