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マネジャーの業務負担軽減とメンバーの事業所運営参加

ケア事業部責任者のコースケです。

介護施設を運営するザ・ハーモニーが、組織を大きくする際に遭遇した課題と、現在取組中の対応についてご紹介します。

課題

 マネジャー(管理者)は言うまでもなく事業所運営の要(かなめ)です。
 人材育成から業績向上まで、その役割と責任は広範囲にわたります。

(『マネジャーの業務』作:コースケ)

 だからマネジャーは、本当に信頼と期待をしている人にしか任せられない、経営者にとってもチャレンジングな役割だと言うことが出来ます。
 一方で、どうしても負担が大きくなってしまうところもあります。
 当社でもその事情は同じで、一人のマネジャーに業務負担が集中してしまい、結果的に非効率的な運営に陥ってしまっている事業所がありました。

取り組み

 そこで当社では「業務分担表」というものを作成し、マネジャーの業務を生活相談員や一般メンバーに割り振る対策を行いました。

(業務分担表の例図)

 業務分担表を作成する手順は次のように進めました。
① マネジャーの業務を洗い出す。
② それぞれの所要時間や頻度(つまりどれだけの業務負担になっているか)を洗い出す。
③ マネジャーがやらなくてもいいものを見つける。
④ マネジャーが継続してやらなければいけないが、一部なら他メンバーにも手伝ってもらえるものを見つける。
⑤ 上記③④について他メンバーに割り当てていく。

 こうして「業務分担表」が完成し、この表に基づいてオペレーションが改良されました。

結果

 結果として、事業所全体の業務効率が大幅に改善されました。
 たとえば今まで滞りがちになっていた書類作成などがオンタイムで作成されるようになったり、今まで目が行き届いていなかったところ(たとえば雑然としていた備品庫)が整理されたり、といったポジティヴな効果が目に見えて認められるようになりました。

 そしてもう一つの効果として期待していることがあります。
 それはメンバーの仕事に対するモチベーション&責任感アップです。
 というのは、今回の業務分担の肝は「マネジャーの業務負担の軽減」とともに「メンバーの事業所運営への参加」があるからです。

 仕事というのは「これやっといて」と放り投げられるだけのものでは、とてもつまらないものだと思います。そういう仕事は往々にして他人事になりがちです。
 しかし、自分に裁量の幅があって、自分のがんばりが結果に反映され、放り投げられるのではなく「任されている」と実感できるものは、とてもやりがいが感じられるし、”じぶんごと”だと感じられ、楽しく一生懸命取り組むことが出来るものだと思います。
 そうなるためのキーワードが『参加』だと思うのです。今回の業務分担表はまさにその『参加』の狙いもあるのです。

 遅れがちだった書類関係がタイムリーに作成されるようになったり、メンバー間のコミュニケーションチャットへの投稿数が増えたりと、効果が見られるようになっています。
 肌感覚としては少しずつメンバーの主体性は上がってきているように思います。これからどうなっていくかが楽しみです。

最後に

 今回の取り組みを通して強く感じたのは、やはり介護というのはチームプレイだということです。
 マネジャーになる人は、たしかに能力が高く、やる気もあり、頑張れる人です。しかしスーパーマンではないし、たとえスーパーマンであっても限界はあります。
 「わたしたちは一人では何もできない」というのは良い意味で大事な言葉だと思います。

 一方でメンバー目線で見てみても、「やっといて」と言われるだけの仕事ではやる気は起こらず、ただ漫然と日々が過ぎていくだけです。
 しかし、自分が『参加』していると確かな手ごたえを感じられる仕事は、いつの間にか”じぶんごと”になり、毎日をやりがいを持って過ごすことが出来るようになると思います。

 そしてマネジャーもメンバーも『参加』したチームが結成されたとき、事業所は効率的に回り出すし、何よりもゲスト様(※ザ・ハーモニーでは利用者様のことを「ゲスト様」と呼びます)にとって最高のケアを提供できるようになると思うのです。

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