【お悩み相談はなんでもコチラ!】地域包括支援センターってどんなところ?
あいさつ
私たち陵水新聞会のある滋賀大学彦根キャンパスの裏に、地域の人々の悩みに寄り添う、優しい色合いの施設があります。
その建物こそが今回私たちが取材させていただく”地域包括支援センター ハピネス”です。みなさんこんにちは!滋賀大学陵水新聞会の十河です。
介護冊子「介護フレンドリーパスポート」を発行した昨年度。更に多くの人に、もっとたくさんの介護に関する内容を伝えたい。そういった思いから、にじいろのからすさんと一緒に、今年度も発行しました!このnoteにも、フリーペーパー制作にあたり、取材したときの様子を載せていきます✨
少子高齢化が進む今、年齢関係なく、多くの人が介護に関わる可能性を秘めています。私たち大学生にとっても、もちろん他人事ではありません。介護は一人でするもの?ただ大変なもの?どうすればいいの?不安を抱える人は多いと思います。
私たちの目標は、そうした不安を抱える人に「大丈夫だ」と思ってもらうこと。安心して、ポジティブに介護に向き合ってもらうことです。
フリーペーパーや、この記事を読んで、少しでも介護に対する不安を解消してもらえれば幸いです。
さて、今回は編集長の宮下と部員の高木と私、にじいろのからす代表の永田さんの合計4名で、彦根市馬場1丁目にある「彦根市社会福祉協議会 地域包括支援センター ハピネス」さんに訪問!
そこで勤務をされている地域包括支援センター所長兼、看護師 青木 真由美さん(以下、真由美さん)と主任介護支援専門員 青木 善美さん(以下、善美さん)、社会福祉士 加賀 可那子さん(以下、加賀さん)さんの3名に普段の地域包括支援センターでの活動についてインタビューをさせていただきました。
地域包括支援センターはどんなところで、何を目的に、どうみなさんが活動されているのか。地域の頼れる相談所について、余すことなくリポートします✨
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【話題1】地域包括センターのお仕事って?
3名:
こちらこそ、よろしくお願いします。
看護師・真由美さん:
色々な活動をしているので、一口には表しにくいですが……
大きく分けると4つの業務を行っています。
看護師・真由美さん:
主に高齢の方を対象に、様々な相談を聞かせていただき、支援を行っています。
看護師・真由美さん:
年を重ねるにつれて出てくるお困りごとならなんでも受け付けています!
「階段の上り下りが辛くなった」「物忘れが多くなってきた」
「買い物に行くことが難しい」「申請などのやり方がわからない」
「将来の介護に不安がある」
などの生活の中で起こることなど、困ったらすぐに連絡していただければと思っています。
消費者トラブルや介護保険関係の相談も対応しています。
看護師・真由美さん:
もちろんです。私たちの役割として、②の介護予防ケアマネジメント業務があります。介護保険によって要支援1、2と認定された方や生活支援が必要な方ができる限り自立した生活を行えるようにしています。
例えば、地域ケア会議を行ったり、金亀体操の自主グループのサポートをしたりしています。
介護予防のことも、しっかり相談対応しますよ!
社会福祉士・加賀さん:
金亀体操は、認知症予防のために彦根市で今推奨している体操です。
体操によって足腰を鍛え、健康的な体をつくったり、気の合う仲間や新しい関わりを増やせる1つのコミュニティとして様々な団体・グループさんに活用されたりしています。
その体操の実施をお手伝いするのも仕事のうちのひとつです。
社会福祉士・加賀さん:
地域ケア会議では高齢者関係の問題に限らず、複数の課題のある方について、様々な機関・専門職が参加して、解決に向かうためにできることを持ち寄って話し合います。
看護師・真由美さん:
ご家族さんでも、ご近所さんでも大丈夫です。
「将来の介護が不安」「近所のおばあちゃんを最近見ない」
「遠くの家族の様子が心配」「隣の家から大きな物音がする」
など、気になったことがあればご連絡ください。
③権利擁護業務の一環で、虐待の早期発見、成年後見制度の紹介、消費者被害の防止なども行っているので、介護と直接関係ないように見えることでも、安心してお話していただければと思います。
社会福祉士・加賀さん:
現状、本人さんやその家族から相談を受けた時には、症状が深刻化していることもあります。そのため今までできていたことが難しくなるなど、生活に困りごとがでてきたら、早めに来てほしいですね。
看護師・真由美さん:
高齢者の方々が暮らしやすい地域づくり(④包括的・継続的ケアマネジメント)も私たちの大切な仕事です。そのために総合相談支援や、地域ケア会議等を通して、できる限り早い実態把握に努めています。
地域包括支援センターは8050問題等の、高齢者を中心とした相談窓口であり、相談事の解決に向けて他の機関と連携することも多い場所です。
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【話題2】どうやって解決するの??
主任介護支援専門員・善美さん:
各地域包括支援センターには必ず上記の3職種を配置して、民生委員や病院、警察、開業医などと互いに連携して地域の方の課題解決に向けて活動しています。
各職種ごとに専門性が違い、お互いの得意な部分で補いながら仕事をしています。
看護師・真由美さん:
いろんな連携先から相談が来ますね。例えば、『キャッシュカードをなくした』という高齢の方が来られたことがありました。
実際はご家族が預かっていて、銀行の職員さんもそれを知っていたので説明されたのですが、わかってもらえないため、地域包括支援センターに連絡がきたことがあります。
また郵便局から『いつも来ている方が急に来なくなってしまったため確認をしてほしい』という相談が来ることもあります。
それらの問題は各銀行や郵便局と連携が必要ですね。
社会福祉士・加賀さん:
場合にもよりますが、考えますね。直接確認に行ける状況であればいいのですが、そうではない状況も多々あります。
そういう時は民生委員や警察とのつながりを活用して、通っている病院に行くなどもします。虐待の可能性がある場合はご家庭へ伺うこともあります。
看護師・真由美さん:
市から虐待のマニュアルがあるので、それに従って慎重に進めていきますね。
主任介護支援専門員・善美さん:
一日約10件前後ですね。一か月で200件ほどの相談があります。
主任介護支援専門員・善美さん:
そうですね。ハピネスの場合は、3職種の他にもう一人いて、主に4人で対応しています。
この職員数は彦根市から担当学区の高齢者数で決められているものです。
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【話題3】とりあえず、まずはお電話を!
看護師・真由美さん:
地域包括支援センターの周知を目指していますので、活動について広めてもらうことはありがたいです。みなさんは『地域包括支援センター』の名前とその役割を知っていましたか?
看護師・真由美さん:
できるだけ多くの方に『高齢者の困りごとについて安心して相談することができる場所がある』ということを知っていただくことが大切だと考えています。
看護師・真由美さん:
まずは電話をくださるとうれしいです。
直接地域包括支援センターに来られたとしても、私たち担当者が不在にしている場合があります。
そのため電話をしていただくと、予定して対応させていただくことができます。
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おわりに
相談は介護における第一歩。
自分だけ、家族だけでなく、多くの機関が協力して行う介護はその入り口として、身近な機関への相談が必要になります。
まずは相談。ほんのささいなことでも、あなたの話を聞いて、支援をしてくれる場所が必ずあります。
悩む前に、気にかかったら。今回紹介した地域包括支援センターに、ぜひ一度相談に行ってみてください。
最後に、取材に協力してくださった地域包括支援センターハピネスのみなさん。暖かく迎えてくださり、ありがとうございました!
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