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8年間介護福祉士として働いて見た世界

初めまして、ライフマンと申します。

この度8年間勤めた介護福祉士を辞める事にしました。

介護の世界へは戻らない覚悟なので記事を書くつもりはありませんでしたが、介護に関連するニュースや世間で持たれているイメージが、いまひとつ的確ではないと思う事が多かったので、したためる事に致しました。

まぁ、辞めた記念の意味もあるかも知れないですね。

本文を書く前に簡単な経歴紹介です。

4年制大学卒⇒福祉専門学校卒で特別養護老人ホームで介護福祉士(正社員)として8年間働く。デイサービス、ショートステイでの勤務経験もあります(事業多展開している施設で一時期異動していた為)

最終役職としては「実技指導の責任者」です。他施設に同じ役職があるかは分かりませんが(笑)

加えて老人保健施設で1年間バイト、障害者施設でのボランティア経験もあります。総合すると10年くらい介護業界に携わっています。それと男性です。

実技指導の責任者とは「介護技術を新人、学生、外国人技能実習生の方に対して指導及び修正出来る権限を有する者」ですね。

ちょっと難しいので「介護新人教育のエキスパート」みたいな印象で問題ありません。

また、このnoteでは基本的に制度や、金額の具体的な数字の話は深くはやりません。

なぜなら、調べればいくらでも制度の事は出てきますし、すぐに過去の話になってしまうと思うからです。こんな事があったんだと言う感覚で読んでもらえたらと思います。

さて、今回は特にテーマを絞っては書きません。僕が介護に対して感じた事や介護をあまり知らない方が疑問に思うような事に沿って書いていこうと思います。

・介護士は暴力を振るうのか?(虐待をするのか?)

やっぱりこれですよね・・。

一番皆さんが目にする話題ではないかなと思います。

結論から言っちゃうといます。そう言う人間は確実にいます。

僕自身も実際に目撃して来ました。

勿論、全員がそんな人ばかりではありませんが、わずかでも居ると言うのが厳しい現実ですね・・。

じゃあ、何でそう言う事をやっちゃうの?なっちゃうの?

この疑問が浮上しますよね。

これは、ズバリ深刻な人材不足が原因です。

まず、介護職というものは「資格が有る人無い人ひっくるめて呼ぶ総称」なのです。これは「専門職なのに資格がない人でも出来ちゃう」って事になるのです。

介護福祉士やヘルパー資格がありますが、介護福祉士に至っては国家資格ですよ?それぐらい高い位置づけになっているのにも関わらず資格不要で始められてしまうのです。

話を戻して、何故 人材不足=暴力の図式が成り立つのか

上記で述べたように施設が資格・経験不問で人材募集する、メディアやハローワークなどで「誰でも出来る仕事だよ~」みたいな情報が世間に広まったりすると、とんでもない人間ばかり来る事態になります。

どういう人間が来るか、例を挙げると・・・

・50代にも関わらず職歴が無い(所謂中高年の引きこもりですね)

・当日出勤20分前に休む電話を入れて来る(週に1~2回程)

・職員や入居者と喧嘩して帰っちゃう(音信不通もあり)

・そもそも働かない(パソコンが使えなくて、自称身体の調子が悪い窓際族と言えば、その恐ろしさが理解できるでしょうか・・)

・一見すると常識人っぽく見えても、2日~3日で辞める

あくまでヤバいケースを挙げましたが、こういう方々は結構いらっしゃいます。

その為どうしても人間関係が悪化しがちです。さらに、シフト勤務である以上急に休まれたり、トラブルを起こされると まともな職員に労働のしわ寄せがいくので凄まじい悪循環に陥ります。

そして、最終的に溜まった鬱憤が利用者にいく結果になります。

この鬱憤は、職員同士の人間関係だけが原因では無いのですが、それは別の所で書きます。大きな要因とだけ覚えておいてください。

暴力を振るってしまう人物像としては、自己中心的で筋が通っていない人が多い印象を受けますね。具体的には・・

・自分のやる事はよくて、他人のやる事はNG(他人からの指摘は笑ってごまかす)

・普段から差別発言、差別行為をする(よく動く入居者をテーブルや椅子で固定して行動を制限する等)

・言葉で説明する事が圧倒的に下手(本当に何言ってるのか分からないし、追求すると逆切れする)

本当に困った事なんですが、残念な事に職員が10人いたら1人は、そういう人物が紛れ込んでいる可能性が高いかなと思いますね。

当の本人は伝えた気になっているのも問題ですね・・。

・介護業界の離職率高いって聞くけど原因と実際は?

少し情報が被って来ますけど、これも人間関係がダントツですね。

1.職場の人間関係が憂鬱

2.結婚・出産・妊娠・育児の為

3.職場の理念や運営のあり方が不満

4.収入が少ない

順番にみていきましょう。

1.職場の人間関係が憂鬱

これは、暴力と虐待でも触れましたが、やはり職員同士反りが合わないのが一番の理由。さらに加えて利用者からの身体的及び精神的な攻撃の影響も大きいと考えています。

身体的な攻撃と言うのは、単純にかみつき、ひっかき、叩く行為などがあって、利用者が職員にセクハラ行為をすると言うのもあります。

精神的な攻撃は、基本的に悪口の事を指します。体型や顔などの容姿いじりや人格の非難とかですね。また、職員を召使いみたいに考えている方もいたりしますので、そこも耐えなければなりません。

被害妄想が酷い方も居て、結構ある事無い事を毎日言われるので、心が疲弊していきます。(これらに関しては精神疾患や認知症の確率が高いので、一概に攻撃とは呼べませんが、あえて呼ばせて頂きます)

2.結婚・出産・妊娠・育児の為

これは、どちらかと言うと女性の問題ですね。

介護業界は女性が7~8割占める業界なので、必然的に寿退社みたいな事もあります。

また、シフト勤務である以上、不規則な働き方をせざるを得ない環境にある為育児が出来ないからと言う理由で退社する方もいらっしゃいます。

最も、育休も取りやすくなっているので、長期の休職に入られる方が多いのが現状ですね。この問題は仕事が直接的な原因ではないので、改善の余地はあるかと思います。

それと、派閥問題ですね。どうしても女性社会の業界なので、派閥が出来ちゃうんですよね(笑)(別に女性差別している訳ではありません)

表立った争いと水面下の争いの両方があります。僕も、色々口コミや本音を見たり聞いたりするのですが、男性職員の意見が本当に少ないです。

それだけ介護業界での男性の立場が弱いという事なんです。この女性社会に馴染めない人は病んで辞めてしまいます。それでも男性の方が力持ちのイメージが強いので重い作業に駆り出されます。すると、男性職員の肉体と精神的疲労が倍増します。

中々男性にとってはキツイ空間になりますね(笑)

重ね重ね差別発言をするつもりはありませんが、介護業界は40~60代の方々が多く働いている業界でもあるので、時代背景的に男らしく!女らしく!のイメージが根付いています。この事から男性職員の役割が決められてしまうのは、ある程度仕方がない事なのかも知れません。

僕は女系家族に生まれて、女性の言う事に従うのに全然抵抗が無かったので何とかなりましたが、そうじゃない人は女性慣れしておいた方が良いですね。まぁ、具体的に言うとおばさん慣れかな・・?

男性目線に寄せて書きましたが、若い職員が少ないので、若い女性職員も派閥争いに巻き込まれて苦労していると相談を受けた事もありました。中々若手に厳しい環境になっていると思います。

3.職場の理念や運営のあり方が不満

これは、上昇志向が高い人が辞めやすい傾向にありますね。

上層部に色々と改善案を出すものの、聞き入れて貰えないと言った所で不満が募って辞めてしまうパターンです。

ですが、個人的には、この理由で辞める人は極少数だと思います。そもそも上昇志向が高い人が少ないですし、本当に介護に対して上昇志向が高い人はポストが空くまで我慢して役職就きますからね。

「労基(労働基準監督署)に言ってやる!」が口癖の人は要注意です。

4.収入が少ない

はい、少ないです!(笑)地方によって差異はありますが同年代の平均収入と比較すると低いです。

ここでは、正社員で各種手当(夜勤や資格手当など)を含めた年収で考えます。そうすると世間の平均年収と比べて大体50~100万くらい少ない傾向にあります。

そもそも、僕らの給料と言うのは介護報酬つまり保険(支払いは自治体だが報酬金額は国が決める)から支払われる形になるので、上がりにくい仕組みになっています。

少々分かりずらいので、簡潔に言うと「介護の給料は会社より国の影響が大きい」と言う事です。年収アップは国の匙加減にかかっていると言っても過言ではないですね。

特に介護に関する法案や政策は、お試しが多くて曖昧な場合があるのです。

例えば「特定処遇改善加算」と言うものがあって

「勤続10年以上の介護福祉士に対して月8万円の手当を出す」

という内容だったのですが・・

最終的に「10年働いていなくてもいいから、それぞれの事業所(施設)で優秀だと思う奴に多めにお金与えてやってね」的な事になりました。

無難な感じになった印象を受けるのですが、これによってベテラン全員の年収が安定する可能性も低くなりました。そもそも、設立10年以内の施設なんて沢山あると思いますし、優秀な人材だと思うって言うのはかなり主観的ですよね。

結局上層部に気に入られた奴が、金貰うみたいな事になっちゃいますね。

以上のような感じで、全ては国の匙加減なのです。

こうなってくると優秀な人は、収入アップの為に転職を考えます。

そして、優秀な人材はいなくなって、勤続年数だけある人が金貰って、若手には分配は少ないという事になります。若い世代にお金回さないと人材不足は永遠に解消しないと思うのですが・・。

人間関係と並んで大きな問題ですが、金銭対策は難しいですね。

一応対策としては

・夜勤、残業で稼ぐ(一番手っ取り早い、身体を壊すリスクも高まる)⇐手当の額は施設によるので就職先に依存します。

・ケアマネージャー、社会福祉士などへキャリアアップする(それなりに勉強期間を要する、現場を離れるので肉体労働は減るが、介護の世界にどっぷり浸かるので後戻りが難しい)⇐介護職員が少ない施設は現場に駆り出される可能性もあります。

現場のリーダーになったとしても、手当が1万だったりするので安定から程遠いと思いますね。

・給料が少しでも多い施設へ転職する(給料を沢山出す施設はブラック傾向が高い、沢山出すと言っても、それがずっと続くかは不明)

ダークな話ばっかりになってきて、絶望するかも知れませんが事実としてご理解下さい。

後はもう、選択の問題ですね。将来どうするのかよく考えたうえで選ぶしかないと思います。

・介護職を続けられる人はどういう人?向き不向きはある?

これは、仕事であると割り切っている人の方が続けられている印象ですね。感情が無いのもサービス業として良くありませんが、感情的になりやすい人は手を出してしまう危険があるので注意した方が良いと思います。

また、介護に対して理想が高いと思い通りにならなくて挫折してしまうし
理想が何も無いと、3K(キツイ汚い臭いの頭文字)の部分ばかり気になって続かない印象ですね。プロフェッショナルの定義は人によって異なると思いますが・・
僕は 割り切る=プロ(専門職)だと思っています。

3Kについての適性で言うと・・

体力に自信がある(肉体労働だから、当たり前では?と思うかも知れませんが本当に大切です。ジョギングなどで基礎体力を付けておく事をオススメします。)

嗅覚が鈍感(排泄物の臭いに耐性がある)

他人とのスキンシップに抵抗がない(人の身体に触れる事に抵抗がない)

夜型である(夜勤が辛くない)ですかね。

参考程度にお考え下さい。

上記で述べた3Kに加えて、認知症の方を相手にする事も多く、何度も同じ話をする事になります。その為何度も同じ話をする事に面倒を感じにくい人も向いていると思いますね。

後は、手芸が得意とか運動神経が良いとかも立派な武器になります。日々のレクリエーションや体操でも大いに役立つと思うので。

また、「お世話をするのが好きなんです」「話する事が得意です」よりは 「話を聴く方が好き」という方が向いていると思います。

聴き上手が真の話し上手という事ですね。

それと、介護に対する目標はあった方が良いですね。

ゆくゆくはケアマネージャーになる(福祉系でキャリアアップ)とか、介護主任、リーダー、施設長(要は出世する事)を目指すなど。

そのうえで自分がしたい働き方(レクリエーションを企画したい、夜勤がしたくないとかネガティブな事でもOK)が何なのか考えておくとより良いと思います。

もし、介護の仕事だけしていられれば満足というなら派遣社員やパート勤務も高確率で募集しているので、そういう働き方もあります。

派遣社員でも労働条件が一緒なら基本給料そんなに変わらないと思いますしむしろ会議、研修、委員会とか現場以外の仕事は発生しないので、介護を楽しみたい方にはオススメですね。合わなかったらすぐ辞められますし。

但し、急に仕事を飛ぶのだけは止めておきましょう(笑)

・ブラック施設とホワイト施設の見極めポイントってある?(就職前)

まず、未経験者が感覚で判断するのは無理ですね。ただ、それだと話が終わってしまうので箇条書きで書き出します。

・施設長が、介護経験者かどうか

上層部の人間が、介護経験者かどうかで現場への改善対応が変わってきます。現場回りをしない施設長だと微妙な感じですね。

・介護補助がいるかどうか

洗濯とか掃除、食器洗いなどをしてくれる役割の方ですね。この役割がいないと介護士が全部しなくてはいけないので、業務負担が増えます。

・現場の一般介護職員の表情が明るいか、暗いか

表情を読み取るのは凄く難しいと思いますが、疲れた顔をしていたら長時間労働が蔓延している証拠ですね。表情が明るいか暗いかって疲労度の問題が大きいと思いますね。

一般職員である理由は、責任者や中間管理職に比べて、施設外の人間と関わる機会が少ないからです。施設外の人間に慣れていない方が多いので、素の感情が垣間見えたりします。大人しそうな職員に話しかけてみて下さい。

人間は疲労困憊すると、行きつく先は自害か他害のどちらかですから大事なポイントだと思いますね。

・入居部屋が個室か大部屋か

個室だけの施設を選びましょう。職員、利用者双方にオススメです。

大部屋は、同じベッドに寝たり、荷物が無くなったりするので管理が大変です。苦情も増えるので、オススメ出来ません。

・介護学生の実習を受け入れているかどうか

介護現場に関連する学生を介護学生と呼んでいるのですが、学生を受け入れている所は、母体が安定している場合が多いです。

受け入れられるのは、経営的、人員的に余裕がある証拠ですね。

・事業を多展開し過ぎていないか

施設内だけで完結する事業だけの方が、楽に出来ます。

特養、ケアハウス、グループホームとかですね。デイサービスやショートステイも併設している所は、送迎業務があるので大変です。専属ドライバーを雇っている所もありますが、道を教えるのは職員だったりするので、単独経営の施設が仕事は楽です。

・居室の数に対してどのくらい職員が居るのか確認する

規定で最低配置人数は決まっているのですが、人数が多いに越したことはないです。あくまで一つのユニットとしての理想ですが

10部屋・・・5~6人

20部屋・・・7~8人

こんな感じですかね。

ただこれに関しては、かなり理想論だと思うので、あまり期待しない方がいいです。それに、夜勤だと結局1~2人になりますから。

・駐車場が無料であるか

駐車場有料だと、他にも色々費用として徴収される可能性が高いです。職員ファーストではないですね。

・現場の職員が、利用者の事を雑な呼び方で呼んでいないか

当事者同士の普段の関係性は分かりませんが、お客さんが居る時に対応を切り替えられない職員がいる現場は、あまりよろしくないです。

・施設(建物)が新しいかどうか

建物が古いと、設備も古い可能性が高いです。最新設備で身体の負担を軽くしましょう。

・行事予定が多いか少ないか

イベントが多いのは、良い事に感じますが、その分業務も増える事に留意しましょう。

・残業の有無

説明不要ですね。少ない方が良いです。ただ、関係者からこの話題に振ってくれる施設は、まだ誠実ですね。

・社会福祉法人であるかどうか

法人の方が比較的安定していると思います。念のため福利厚生、保険も完備しているか調べましょう。

ここまでは、働く前に確認出来る項目です。

・ブラック施設とホワイト施設の見極めポイントってある?(就職後)

ここからは、就職後に見る項目になります。

・上司、周りがパソコンを使えるかどうか

機械に疎い人が、本当に多過ぎます。毎回使い方を訊いてきたり、書類作成を一手に任され兼ねないので、出来ないフリをして探りを入れましょう。

・職業分担がされているか

実際に働いてみたら、他職種連携じゃなくて他職種連帯になっている。自分の職務と関係無い事をやりだしたら、専門職ではないと思います。

事務員、栄養士さんが、介助業務しているのも見た事ありますよ・・。

・拘束行為を容認していないか

身体を縛ったり、居室にカギを掛けるといった行為が該当します。「動くな!」とか「座ってろ!」みたいな行動制限を命じる言葉も該当しますね。これらが常習化していた時点でアウトです。

・座って許される雰囲気であるか

基本が立ち仕事のせいなのか、座っている=怠けているというイメージが蔓延っています。好きなタイミングで小休止出来る環境が良いですね。

・ユニット会議が定期的に行われているかどうか

大体月一くらいで、開催するのが普通ですが、全くやらない所もあります。

現状の報告や改善の提案などが目的なので、これをしていないのは問題ですよね。

・やりがいを全面に押し出す同僚や上司はいないか

理想を語るのは、別に悪い事ではありません。問題は、自分の保身の為に理想を語っている人物がいる場合です。やりがい名目で仕事を頼まれると断りにくくなりますし、サービス残業に繋がり兼ねません。

良い人になり過ぎないよう心掛けて下さい。

・有給休暇が取れるかどうか

休暇取得で四苦八苦しているシフトは、余裕が無い証拠ですね。

・他職種と良好な関係であるか

介護は看護師、ケアマネージャー、栄養士など他職種と意見交換しながらやる仕事なので、仲が悪いと話になりません。特に看護師と仲が悪いと非常時に相談出来なくて困るので仲良くしておいた方が無難です。

・問題行動の多い利用者が偏っていないか

問題行動が多い=色んな施設に入居を断られ続けられてきた利用者の可能性が高い。

そういう利用者を一手に引き受けている施設もあるので、入所経緯を調べてみれば判明します。

利用者が入居する際の審査基準がしっかりしているかよく考えてみましょう。

・施設長が現場への理解を持っているか

これが無いと業務改善が遅くなりがちですね。経験者が運営しているかどうかも大きいポイントです。現場以外の部署にも経験者が居ると働きやすいと思います。

・裏ボスの存在

裏ボスってなんだと思うかも知れませんが、「役職についていないにも関わらず役職以上の権力を握っている存在」を指します。

勤続年数が長い職員に多い印象ですね。特に若い世代がリーダーに就いている場合に見られる傾向です。その人(裏ボス)にとってはいつまでも後輩、新人という感覚なので、意見を強引に通してしまう事があります。

ここでは、一概にどちらの考えが正しいか判断するのは難しいので、どちらの意見に賛同するのかよく見極めて下さい。(早い話どちら側につくのが得かと言う事です)

以上の事を確認してから、検討して頂ければと思います!

・オープンスタッフとして働くのはあり?(立ち上げたばかりの施設で働くという事)

正直言うと、設立10年くらいの施設の方が安定はしています。しかし、メリットもあるので、以下をご確認ください。

◎メリット

立ち上げ初期メンバーになれるので、ほぼ出世確実です。出世できなくてもそれなりにいいポジションになれます。(上記で触れた裏ボスが良い例)

介護内容に関しても自分の意見を通しやすくなるので、自分の望む環境を作れるかも知れませんね。

×デメリット

提示されている給料額が継続して支払われるか怪しいです。(運営が継続出来るか不明瞭)

新規の施設は、銀行からの融資で事業を始める場合があります。そこから運営理念に基づいて運営を始める訳ですが、大体最初は、上手くいきません。

利用者の確保が出来なくて赤字

職員雇い過ぎて赤字

逆に職員足りなさ過ぎて過酷労働化⇒全員辞めた⇒潰れた

施設維持費が意外と高くて赤字(節約できていない)

こういうのって、運営ノウハウが少しでもあれば回避できそうなものですが結構つまずいている施設を見かけます。

こういう所で、しくじって職員への支払いも滞っていきます(笑)

そもそも、理由の1つに運営元が建設会社である場合が多いのです。

駐車場の看板などを見れば、○○建設、○○組とか書いてありますので1度確認して見ると良いです。

要は「介護に関して素人の集団が、副業として介護事業をやろう!」   という事です。なので、介護の現状を理解していない事業所も多いです。

こんな書き方をすると、デメリットが目立つと思いますが

「自分のやりたいように仕事がしたい!」という方はオープンスタッフで就職するのをオススメしますよ。是非トップに登り詰めて下さい。

・コロナ禍での現状は?どんな変化がある?

うーん、意外かも知れませんが、コロナ禍の方が、日々の業務は楽ですね。

世間や一般のお店では、感染症対策が大変みたいな感じですが、そもそも介護施設では普段から消毒はしてますし、インフルエンザやノロウイルス対策なども以前からやって来ているので、特段変わった印象は無いですね。

むしろ、家人や業者などの外部の人との関わりが減った分、現場の業務負担は少なくなった印象を受けます。

ただ、面会がリモートなので、利用者、家人にとっては、実際に会えない不満が高くなって来ているかなと思います。

・夜勤は大変ですか?寝る時間はありますか?

夜勤は・・大変ですね!!(笑)

理由としては、基本的に1人で全て行うからです。1人で見る人数は施設の規模によって異なるので、一概には言えませんが、特養なら20~40人くらいですかね。

仮眠時間は、勤務時間に応じて変わります。

16時間夜勤だったら有り、8時間夜勤だったら無しという具合です。

勿論、施設の種類や規模によって違いはあると思いますが、概ね1時間~1時間半ぐらいの仮眠時間だと思います。もっとも、ルール無視して仮眠しまくっている職員も見かけますが・・。

それは、さておき肝心の業務内容ですが、利用者が静かに眠っていればオムツを換える、室温管理、飲み物を持って行くなど簡単な業務が中心になります。

しかし、そうはいかないのが夜勤の常(笑)

利用者の何人かは、夜中起きてます。それが朝まで続く場合もあります。認知症の方が多いので会話を合わせて行動を見守るだけでも重労働ですね。

また、立ち歩く方が居れば危険度が倍増します。

転倒して剥離や骨折などのケガをする確率が上がります。看護師が一緒に夜勤や宿直をやってくれる所はまだマシです。(軽いケガの手当や重症の場合に相談出来るので)いない場合は、自分で全て判断しなければなりません。

利用者が亡くなった場合も忙しくなります。医師、上司、施設長、宿直者、その家族に連絡し、他の部署への応援要請もしなければなりません。

そして「エンゼルケア」といって仏様の身体を綺麗にし、身なりを整える行為を行います。最後は葬儀屋さんに引き渡すので、それまでに整え終わる必要がありますね。

身体を綺麗にすると言うと結構オブラートに包んだ表現ですが、実際は体液が漏れるのを防ぐ為に綿を詰めたりするので、中々覚悟と度胸が要ります。

まぁ、病院勤めの看護師や医師の方がもっと大変ですけどね。

まとめると、楽な日もあるけど、誰かがケガをする、亡くなる場合もあるから覚悟しておくべし!

・介護は腰を壊すって本当ですか?

腰を痛めやすい職業である事は間違いありません。しかし、正直介護で腰を壊す人は・・下手なんです(笑)

つまり、介助技術が未熟なんですね。

でも、本人の問題というよりは教える側の問題だと思います。人手不足で教える人間がいない、教える側のやり方が間違っていたり

「そんなのは職業病だ」「取りあえず、やってみろ」とか言う気合バカがいる、この辺りが原因じゃないですかね。

文字だけで技術を説明するのは伝わりづらいですが、一応コツを言うと

・腰を曲げてやってはいけない、腰に力を入れてはいけない

・肩幅くらいに足を広げよう、膝を曲げて腰を落とそう

・馬力が必要な時は、肩と腕の力を使おう

とにかく意識して腰を使わないようにして下さい。

そして、腰以外の部分に均等に負担を掛けるようにして一日を過ごして下さい。業務の合間にストレッチ(ラジオ体操で充分です)も欠かさずやって下さい。

僕はこれを意識してやっていたので特に身体を痛めた事はありません。多少の肩こりはありますが、腰は痛めると一生治らない場合があるのでそれに比べたら絶対マシですね。

まとめ:介助中、腰に負担を感じたら、一旦引き返せ!体勢を整えよう!

・介護に対する世間の評価やイメージについて一言

これは、答えようによっては炎上するかも知れません(笑)

まず、世間の悪いイメージとしては「最底辺の仕事」「他の選択肢が無くてやる仕事」「3Kの汚い仕事」というイメージです。

これは、そんなに間違いではないと思います。

何を持って最底辺とするのかは定義が難しい所なのですが、離職原因でも述べたように「人間関係、仕事内容、給料面」で優良の職業とは言い難いですね。

一方で良いイメージは「人から感謝される仕事」「尊い仕事」「社会にとって必要な仕事」といった所です。

やりがいを持って働いている方々は、この部分を大事にしていらっしゃるのではないでしょうか。

正直、僕はこれが一種の洗脳じゃないかと思うんですよね。

別の言い方なら、思い込み、やりがい搾取ですかね。

社会にとって必要な仕事=個人の人生にとって必要な事ではない

こう思うのです。実際に自分が素晴らしい事をやっていると思い込んでいるパターンも多く見かけます。

身内が要介護になったら世話しなきゃいけないから必要だろ!みたいな声が聞こえて来そうですが、それが自己犠牲を推奨する理由にはならないと思います。

介護士としての自分の働きが、本当に自分にとって必要な事かどうか一度考えてみる事をオススメします。経験者も未経験者も。

そうして、本当に介護が好きな人ばかりになれば虐待も減ると思います。

一言じゃなくなっちゃいました、ごめんなさい。

・身内が要介護になったんだけど、施設に預けるのは不安になってきた。やっぱり家族なんだし、家でみたほうがいい?

不安を煽ったのは、僕の責任ですが、身内同士で介護するのはオススメ出来ません・・。

実際に「家族なんだから、家で面倒みます!」という家族愛溢れる家人様もいらっしゃいましたが・・ほとんど自滅していってましたね・・。

僕が見てきたのは、大体この2パターンですね。

・優しいが故に献身にお世話⇒疲れて家族揃って鬱病発症し、お通夜状態

・徘徊などの問題行動に耐え兼ねて、怒号と暴力が蔓延る家庭になった

互いの幸福を願うのならば、施設を探しましょう。優良な職員もいますので絶望ばかりしなくてもいいと思います。

長期入所が引っかかるならデイサービスの通いやショートステイの泊まりなどもあるのでご検討下さい。御自身の健康を大切に。

・優良、善良な職員ってどういう人ですか?

良い職員の場合

・声が大きい

・よく笑う

・冗談を言う

・変に敬語に拘らない

・ただし、利用者、職員の事は、さん付けで呼ぶ

あまりよろしくない職員の場合

・言葉足らずで伝わりにくい

・笑顔が下手

・ブラックジョークを言う

・敬語でしかしゃべらない

・利用者、職員の事は、ちゃん付けで呼ぶ、もしくはあだ名。

それぞれ、単一あるいは複数当てはまれば、可能性が高いと思います。

感情豊かで、砕けた言葉遣いを好む人は善良な可能性が高いです。そこに加えて相手をさん付けで呼んでいれば、優良な職員だと思います。モラルも理解しているという事ですね。

・実習生(勉強しに来ている学生)に対しては、真実、実態を教えますか?教えてましたか?

これはですね・・結構キレイ事を言っていたと思います(笑)

ただ、就職してくれそうな学生には、良い所も悪い所も教えていましたね。

こう書くと差別みたいな感じになるのですが、介護現場に来る学生は就職志望の学生だけではないのです。

介護専門学生、福祉大学生、福祉科の高校生、看護学校生、歯科衛生学生、このように色々な学校から来ます。

そこに新人教育、ボランティア参加、ヘルパーの研修などが加わる訳ですから、日に何人も引き連れて現場を周る事になります。

そうすると、こちらも就職志望の学生への指導を優先せざるを得ないのです。

ただ、人材不足解消の為に良い所しか言わない人もいますから、注意して下さいね。

・あとがき

僕は、20代前半で介護の世界へ行きました。

先輩たちに最初に言われた事は、「なんでその年でこの世界に来たんだ?」「他の職業に就いている同期と比べたらショック受けるぞ(給料の話)」

「どうせなら、看護師になればよかったのに~」などなど・・・。

僕:「お前ら、それが新人に言う事かよ」って思ってましたね(笑)

それでも「あぁそういう業界なんだな、じゃあどうしたら変わるのかな」と考えていました。

そこで「出世だ、出世するしかないな」そういう結論に達しました。

当時の施設長が、管理者としても介護士としても非常に仕事が出来る方だったのでこの人のやり方を参考にしようと考えて行動しました。(ワンマン気質なのは、頂けませんでしたが(笑))

ただ、このやり方では、最終的に人はついてこないだろうなと推測していたので、人望のある人間になろうとも考えていました。

そう思って指導し続け、後輩も沢山増え、人に指示出来る立場になりました。役員、講師などの経験も20代の内にさせて貰えました。

しかし、これまで書いてきた内容を経験する内に

この業界が大きく変わるには、後20~30年程掛かると感じてしまったんですよね。そうなると達成する頃には、僕も定年になっちゃうんですよ(笑)

順当に行けば確実にNO.1か2のポジションには就けます。でも、自分にとって、人生を掛けてまで本当にやる必要があるのだろうか?最近はそう考えるようになっていました。

冒頭でこの世界に戻る気はないみたいな事を言いましたが、この仕事は嫌いではありません。そこは誤解しないで頂きたいと思います。

この職業で一番学べることは、何かと言えば

他人の人生史を見れる事だと思います。そこには色々な人生があって、皆色々な事が書いてありますが、多くに共通するのは

「大変だったけど満足している」です。

人生の節目で、大きな決断をして来た方々は、一様に仰います。

それが、どんなに大変でも自分で選択した事ならば、後悔しないだろうと。

僕もこれからそういう道を歩んでみようと思います。

さて、かなり情報を詰め込んだつもりですが、まだまだ書ききれていない部分もあると思います。必要に応じて加筆修正は行う予定です。

このノートが、これから介護を始めようとする方、転職される方の参考になれば幸いです。また、違うテーマが見つかれば何か書きたいと思います。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

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