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海事代理士試験の勉強の前に知るべきこと(その1:船は右側通行)

仕事とは関係なく受験する方のために

海事代理士試験の問題は、海事関係の仕事に携わっていていない方や海事関係の学校の出身の方以外の方は、圧倒的不利な状況にあります。
なぜなら、全て法律・規則の話であり、文章問題です。このため、なかなか頭の中で、どういった状況であるのかイメージできません。
そもそも船がどんなものか、外側からはかろうじて見たことがあるかも知れませんが、その中身を見た人は、中々居ないのではないでしょうか。
もちろん、船を所有・運航する会社の陸上社員の方においても、そこまで詳しく船を知っている人は、少ないでしょう。
ましてや、船員の生活など想像もつかないと思われます。
そこで、今回は、海事代理士試験に関連する船についての知識や船員の生活について話したいと思います。

船は右側通行

基本的に船は、右側通行です。なかなかこういった知識さえも掲載されていないと思いますが、海事代理士試験の中でも役に立つことがあります。
それは、海上交通安全法、港則法です。
まだ、勉強を始めたばかりの人には、この2つの法律も何のことやらと言ったところでしょうが、その前に海上衝突予防法という法律があることを知る必要があります。
海上衝突予防法は、いわば陸上における道路交通法です。つまり、海上における基本的な交通ルールを定めた法律です。
海上衝突予防法は、「1972年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約(COLREG条約)」に基づき定められた国内法(日本の法律)です。
実際には、右側通行ですよ~という明確な規定はありませんが、船を避ける時には、右側に避けなさいとか、狭い水道を航行するときには、右側に寄って航行しなさいとか、実態的には右側通行の交通ルールを定めています。
これに対して、船舶の交通量が多い海域について、特別な交通方法などを定めたのが、「海上交通安全法」です。
また、港の中における船舶の交通方法等を定めたのが「港則法」です。
海上交通安全法や港則法では、特定の海域に航路を定め、航路ごとに交通方法やその適用を受ける船舶を定めております。

こういったことを知っていて勉強するのと、知らずに勉強するのでは、大きな違いがありますので、是非、船は基本的に右側通行ということを覚えておいてください。

ちなみに海上交通安全法の航路で、世界で唯一、右側通行が採用されていない航路があります。それは、来島海峡航路です。来島海峡航路では、潮の流れる方向により、右側通行と左側通行が入れ替わります。


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