見出し画像

海事代理士試験の勉強の前に知るべきこと その4 船は一つの町

船は動く町

前回は、船員が船で生活しているという話をしました。
船員が生活するためには居住施設が必要ですが、その他、発電設備、消防設備なども必要になります。
コンビニエンスストアはありませんが、食料庫だったり、冷蔵庫、大きな船だと米庫なんてのもあります。
これらの必要な設備に関しては、船舶安全法に定められ、必要な検査についても同様に船舶安全法で定められております。

自己完結が求められる

そして、それらの設備を通常維持していくのは、船員の役割です。
発電設備のメンテナンス。
火災が起こった場合の消火活動。
冷蔵装置を修理したり、エアコンを修理したり。
海の上では、出来る限り船員の手で色んなことをしなければなりません。
時には、医療行為も。
昔、私が外国航路の船に乗っていた時、船長が怪我をしたということがありました。
その時、私は、衛生管理者という立場であり、衛星電話を使用し陸上の医師から指示を受け、主任の衛生管理者とともに、その応急処置を行いました。
結局、その船長は、下船ということになったのですが、船は、陸から500km以上離れており、近くのヘリコプターを搭載した沿岸警備隊の船に向かって船を航走させると共に、沿岸警備隊のヘリコプターを飛ばして頂き、中間地点でピックアップして頂きました。
レーダーにヘリコプターの機影が写った時には・・・
少し話がそれましたが、もちろん全ての船にこういった設備があり、こういった人(例えば衛生管理者)が乗っている訳ではありません(医師の乗っている船もある)。
基本的には、航行区域と呼ばれる船が航行する水域の範囲と、総トン数、推進機関の出力などにより、船に設備する物が決められ、船に乗船しなければならない船員等の資格が決められております。
船が大きくなるほど、陸から離れるほど、規則が厳しくなると考えると良いでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?