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かみさま、ほとけさま。

「今日は●●が××で□□なことをしてしまいました。どうぞお許しください、神様、仏様」。

幼い頃、布団の中に入ると、その日あった出来事を神様と仏様に詫びる儀式が日課になっていた。

毎晩、詫びることには事欠かなかった。ああしたらよかった、こう言えばよかったという思いが次から次へと湧いてくる。いつもいつも、最善を選べなかった自分への後悔が山のようにあった。

そして、いつのまにか神様にも仏様にも詫びることなく、スマホでティーンズラブ(女性を対象としたジャンルで、ティーン向けに見える人物設定でありながら、成人向けのような具体的かつ直接的な性的表現が物語の中で展開される創作物。と、wikiに書いてあったから、たぶんきっと、そうなんじゃないかなwww )を読みながら寝たり、浴びるほど飲んで泥のように眠る大人になろうとは、あの頃は想像もしなかったな。思えば遠くへきたもんだ。

そんな大人になったいまでも、ああしたらよかった、こう言えばよかったという思考は消えたわけではなく。頭の中はいつも忙しく何かを考えているし、どうでもいいことばかりに気を取られてしまうので、ティーンズラブを読んだり、お酒を飲んだりして、ほんの少し考えることをマヒさせているのかもしれない。

でもさ、神様と仏様に謝ってばかりいるよりは、「ティーン向けに見える人物設定でありながら、成人向けのような具体的かつ直接的な性的表現が物語の中で展開される」創作物を読んだり、お酒を飲んでいる方が、しあわせな人生だと思うのよ。だからさ、どうぞお許しください。神様、仏様。

<余談>
一口にティーンズラブと言っても、「オレ様」「S彼氏」「先生」「三角関係」「禁断の愛」「メガネ」「社長」「オフィスラブ」「裏稼業」「おじさん」「犬系彼氏」などなど、とても詳細なカテゴリーがある。ちなみに私は「S彼氏」系のストーリーが好きで、「ドS彼氏がナンタラカンタラ〜〜」的なタイトルをついクリックしてしまう。なにが面白いのか、自分でもよくわからない。

<余談2>
友人に、私がティーンズラブをうっかり読んじゃうことをカミングアウトすると、「私も!」となることがわりとよくある。ちなみに、「犬系彼氏」系が好き!と告白した友人の気持ちはまったくわからない。「S彼氏」系が好きな自分のことは、もっとよくわからない。

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