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エミールくんがんばると休む

 普段は海外漫画(特に邦訳)を紹介しているが、もう1つ好きなものがある。それは、絵本だ。特にトミー・ウンゲラーの描く絵がすごい好きだ。なので、箸休め程度にトミー・ウンゲラーの絵本も紹介していきたい。そもそも、ショーン・タンのような人が出てきた結果、漫画と絵本の境目はかなりなくなっているようにも思える。そういう意味で、トミー・ウンゲラーも海外漫画の文脈で把握ができるのではないかと感じている。また、トミー・ウンゲラー以外にも従来は絵本作家と言われていたが、ショーン・タン以降の我々からすれば漫画っぽい絵本も存在するはず。そういう作品は今後紹介していきたいと思う。

 今回は、エミールくんがんばる、だ。タコのエミールくんが、世のため、人のために頑張るんだけど最後は元の海が恋しくなって帰る。船長とタコのエミールくんの友情物語だ。エミールくんは、船長に請われて人間界で暮らすが、趣味にしろ、仕事にしろ海がずーっと気になって暮らしているのも面白い。

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 緑色のタコがなんとも愛らしい。そして、少し揺れながら描かれる線がすごくよい。なんというか、ニコラ・ド・クレシーの線に通じるものがないだろうか。そして、バスタブの床も、緑色に合わせて茶系の色で彩色されているのも画面全体の安定感がある。

過去のニコラ・ド・クレシーの作品の紹介は以下より。

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 あと気になったのは余白の使い方だ。この堂々たる余白の使い方。先日読んだ、This One Summerでも一部余白の使い方が気になった。グラフィック作品における余白の効果は今後も注目していきたい。

今後もトミー・ウンゲラーの作品は少しずつ買い足していきたい。

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