笑笑笑 ウンコ爆竹

バクチク遊び。爆竹。当時住んでいた所は、都内でありながらも結構空き地がありました。
原っぱって呼んでました。

でその原っぱも近所に数ヵ所あったわけで、それぞれに名前をつけて呼んでいました。
第一トリフン、第二トリフンってな具合に。

トリフンってなに?
なんのことはないのです。
鳥の糞のトリフンなんです。
じゃあ何でトリフンなの?
わかりません。

いつしか誰かがそう呼ぶようになってから定着してしまったようです。
今、思い起こせば何の鳥だったか?
名前はわかりませんが、雀を3倍くらいに大きくして尾っぽが異常に長い鳥だったと記憶しています。
ま、トリフン談義はここまでとして。

で、私たち近所の子供どもは、学校から帰るとそこでよく遊びました。
野球、サッカー、ドッジボールが主な遊びでしたが、それらに飽きるとバクチク遊びもたまにやってましたね。

昔は、クラッカー、2B、爆竹という破裂ものが近所の駄菓子屋さんで売っていて、1日の小遣いい20~30円で買えたわけです。

その3種類の破裂ものの中で、爆竹が一番風体が小さいのに破壊威力としてはダントツなものがありました。

で、どうやって遊んでいたかというと、ただただマッチで火をつけて投げて、「パーン!」という音を鳴らしてストレス解消をしていました。

で、たまに一緒に遊んでいた友達に投げつけて、「うわっ!やめろよなー!」みたいな感じで。

むしろそっちのほうが多かったかもしれません。
しかし、そのバクチク遊びである事件がありました。

今だに脳裏に鮮明に焼きついている衝撃的な出来事だったのです。

そうなんです。

事件の犯人は、あのよっちやんなのです。
しかもこの事件には被害者がいます。
私たち悪ガキ連中の子分の一人、みーちゃんです。
あの日、私はよっちやんと第二子分みーちゃんとで第一トリフンでバクチク遊びに興じておりました。
ただ投げて破裂させたり、人に向けて投げつけたりするのにいい加減飽きると、あの悪魔のよっちやんはあることに閃いたのです。

当時、原っぱは犬を飼っている人たちの散歩場所でもあり、よくウンチをさせては、片付けずに立ち去っていました。

そういう時代だったのです。

秋田犬やシェパード、コリーなんかの大型犬もたくさんいました。

私たちは、トリフンでよくそれらの犬のウンコ踏んだものです。
「うわぁー!ウンコ踏んじゃったー!」ってな感じでした。

しかも超絶にでかいウンコなんか踏んじまった日にゃ、履いていた運動靴が足首まで埋まってしまったものです。
ウンコが靴裏につくというよりも、ウンコを履いているという感じになってしまいました。

で、その日はよっちやんの閃いた発明であるウンコ爆破作戦が楽しくて楽しくて、爆竹を仕掛けたウンコを破裂させて飛び散るのを見ては、大笑いをしていました。
ウンコに爆竹を仕掛けるのは、よっちやんだけでした。あんな忌まわしいものに自分の手を近づけられるのは、奴しかいませんでした。

しかし、第二の子分であるみーちゃんは、何を血迷ったのか自分もやってみたいと言い出しました。

悪魔くんよっちやんは、じゃあやり方を教えてあげるねと言いながらみーちゃんのバクチクを持った手の手首を掴んで、直径30センチはあろうか超巨大出来立てホヤホヤのウンコに近づけさせた、・・・その瞬間!

「グニューーッ!!!」

そうです。もう皆さんの想像どおり。
みーちゃんは、無惨にもそのまだ生温かい巨大ウンコに手首まで押し込まれてしまったのです。
こっちはもう唖然、何が起きたかもわからない。

笑う境地なぞには到底及ばず。
そして、段々と状況を脳ミソが理解し始めると、もう腹抱えて笑うしかなくなっちゃいました。

もう、笑けすぎて息が出来なくなったのを覚えています。

で、一方のみーちゃんは、これまた半分泣きながら半分は笑っているという異常な状態にありました。
「うぇーんえーんにははははひはひはああああーー」
わけのわからない、今まで聞いたこともない奇妙な泣き笑い声でした。
ウンコから手を抜いてよいのやらそのままにしておくべきなのやら、もはや判断さえ着かないものの、でもこのままにはしておけないなという思いが勝ったようで、数秒後に「ヌポンっ!」と音がしたかどうかは定かではありませんが、そんな感じで手を抜き出しました。

ところが、それでもウンコがあまりにも巨大だったためにバクチクを摘まみ持った状態のままでウンコが手の全体を覆ってしまって、持っていたバクチクなぞはどこにも見当たらず、手首から先がところどころ黄色みががった茶色い大きなかたまりになっていました。
その手?いやウンコ物体を空中に掲げながら、笑い泣きをしている頭のおかしな変なガキがそこに立ちすくんでいるという状況です。


人間は信じられないような悲劇の中で、しかも他人ごとであれば大笑いしちゃうようなことに遭遇すると、自分のことでありながらもそういうおかしな精神状態になるんだなあと、よっちやんが過去から何度も教えてくれました。

貴重な体験をさせてくれました。
ありがたい。
しかも、他人事でよかった。

その後、みーちゃんは、どうしたか覚えていません。
たぶん、お手てを洗いに帰ったのだと思います。
そして、悪魔のよっちやんは、当然いつものように不気味に笑いながら逃げていきました。
いやー、今日も大笑い出来て充実した1日だったなあと満足しながら夕日を背に帰宅したのは覚えています。

洗ったとしても、あのお手てでご飯をたべるのかなあ、爪の間とかに入り込んだウンチはそうはたやすく取れないはずだよなあとか思っただけでもゲロ吐きそうになる貴重な思い出でした。

そこらのドキュメンタリー番組見るより全然面白かったです。

みーちゃんよ。
このあとの人生でバクチク見たらそれを思い出すようなトラウマにだけはなりませんように。
心からお祈りいたします。
アーメン。
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