世界史と世界史探求.歴史総合の参考書 目的.選び方.リスト.使い方2024年更新版

目的

予習 授業についていくため、一冊あればいいと思います。
授業 個人指導の塾などで使うなら、一年間で終えられるように、薄いものがいいと思います。予習用と同じでかまいません。
復習 授業で学んだことを整理したり、理解を深めたり、知識の積み増しをするためのものです。分厚いもの、資料集、図版の多いものなどがいいと思います。知識の積み増しは、問題集でもします。合格には100点を取る必要はないので、趣味で学びたい人は別にして、受験生としては無限に知識を求めないようにしましょう。

選び方

予習用 自分にとって頭に入れやすいタイプの、薄いもの。会話調、音声、地図主体、年表主体などありますね。
授業用 教科書タイプを選びましょう。2冊以上のシリーズは一年間で終えられないので、やめておきましょう。
復習用 厚めのものを選びましょう。偏差値50くらいを目指す人は、授業用と同じものでもいいかもしれません。

リスト

アマゾンで買う人はいいんですけど、書店で買う人は、買いたいものが品切れなので他のを買うということもあると思います。そんなとき、後悔してほしくないので、あんまりお勧めしない本も書いておきます。
マンガ
文章が苦手な人はこういうものを予習に使いましょう。だいたいの順番や名前を知っておくのに使うことに向いていると思います。
 http://rank119.gozaru.jp/img/etc2.html歴史系倉庫 たぶん無料です
「学習漫画 世界の歴史 20巻」(集英社)全20巻で3.4万円です。
「新マンガゼミナール 世界史 パワーアップ版元 上下二巻」(学研.2015年)「大学受験らくらくブック」という名前の古い版は絶版です。
「東大教授がおしえる やばい世界史」(ダイヤモンド社.2019年)挿絵の漫画と図解です。あんまりお勧めしません。

会話調の通史 
「本郷りんの皆伝」私が書いている、このnoteにあります。自分で言うのもなんですが、因果関係がわかるし、とっても詳しいですよ。サイトですが、ここに書いてしまいます。
「ナビゲーター世界史B 1-4巻」(山川出版社)基礎レベル。教科書が理解できない人でも読みやすいと思います。共通テストで50点くらいとれるかな、これだけでは合格できません。
荒巻の新世界史の見取り図 上中下」(ナガセ)レベルは中ぐらい。細かい流れや年号、出来事は添え物で、近代とは何か、産業革命と市民革命によって、国民国家が成立するなどの大きな流れが書いてあります。予習として読んでおくと、授業を深く理解できます。論述が必要な人にも、この参考書は向いていると思います。
「世界史探求授業の実況中継1」(語学春秋社.2023年10月)2-4はそのうちに出版されるでしょう。世界史Bの時代のものは1-4が出ています。

音で聞く世界史
「青木裕司のトークで攻略 世界史B〈Vol.1.2〉」(実況中継CD-ROMブックス)聞く方が憶えられる人に向いています。
「アナウンサーが読む 聞く教科書 山川詳説世界史」(山川.2013)CD-ROMだと思います。聞いて憶えるのは得意な人にいいかな。

とにかく薄いもの 予習用にいいかもしれません
「高校世界史をひとつひとつわかりやすく 古代から近代へ」「 近現代」(学研.2015年)基礎レベル。テーマが55あって、ワークブックですね。見開きごとに各10問の問題も付いています。項目ごとに重要語が並んでいるんですけど、用語や流れの説明がないし、縦横途切れすぎで、自習には向きません。あくまで、授業前に重要語に触れておくための予習用です。これを読んだら、すぐに教科書、または別の参考書で理解を深めましょう。
高校とってもやさしい世界史」(旺文社.1,188円. 2014年初版発行.168ページ)古代、中世、近代の区切りで大きな流れ図があります。わかりやすい短い解説と、ほとんどのページに地図があります。テーマごとに問題もついていて、初学者にはバランスの良い参考書でお勧めです。高認よりも少しレベルは高いですね。

図解重視 教科書/文字より図がいい人にはいいかもしれません。
「NEW 流れ図で攻略 詳説世界史B」(山川出版社.900円)2014年以降が新訂版です。表と地図、問題付です。基礎の少し上かな。
「世界史トータルナビ INPUT&OUTPUT800」(学研教育出版)カラーで、図解と地図が多いですね。少ないけど800の問も付いています。わりといいかな。
神余のパノラマ世界史  パワーアップ版 全二冊」 (学研.大学受験Nシリーズ.2015年.1404円)図がたくさんあります。2015年以前のものは副題も内容も違います。  わかりやすくて、お勧めです。「皆伝」と相性がいいと思います。

解説重視
「なぜ?」がわかる世界史 全二巻」(オレンジとグリーン本)納得できる説明が書いてあって、復習用にいいと思います。共通テストで7割くらいを目指す人にちょうどいいかな。つまり偏差値50ですね。
「一度読んだら絶対忘れない世界史」ムンディ先生として知られているyoutuberさんが書いています。動画配信もあるのかな。テーマ別で、図解もあります。年号を使わずに数珠繋ぎで説明するんですけど、簡易すぎて偏差値50以上の入試には使えないと思います。予習用にいいかな。
大学入試 茂木誠の 世界史Bが面白いほどわかる本」(角川.2021年.1800円くらい)詳しいし図もあって、教科書を読んでも世界史がわからなーいという人でも理解できると思います。早慶上智で7-8割取れる分量、と序文に書いてあります。授業にも復習にも使えます。お勧めです。
「改めて知る 国ごと 地域ごとにまとめ直した世界史1.西欧.南欧2.東欧.北米.オセアニア.アフリカ 3.アジア」(清水書院.2014年)お勧めしません。

教科書タイプ これはたいていの受験生に必要です。
「詳説世界史 世界史探求」(山川出版社.860円.)最新版を買いましょう。高校で一番多く使用されている定番の教科書です。入試作問者の閲覧も多いようですね。
「詳説世界史研究」(山川出版社.2500円くらい)上の本を分厚くして、解説を多めにしたものなので、受験向けではありません。けど、ハイレベルの大学の入試のベースになります。偏差値60以上なら持っていてもいいかもしれません。入試で出題されないようなことも書いてあります。この本を含めて、どんな大学の入試でもいつでも100点を取れるというようなものはありません。p500もあれば95点くらいは取れるものも作れます。けど、あと5点取って100点というのはさらにp1000あっても難しいと思います。だから、作っている人を私は知りません。受験生もたまに100点を取れることがあれば、それはラッキーと思うようにして、基本的には合格最低点を超えること、世界史で得点しないといけない人でも、85点くらいを目指すのが現実的だと思います。

□いろいろ なくても困りません。
「ヨコから見る世界史」(学研)同時代史がわかるということなんですけど、あんまり横から見ていないように思えます。巻末の世界図と世界構造表は少しいいと思いますけど、簡易すぎるかな。お勧めしません。 
「タテから見る世界史パワーアップ版」(学研)
「流れがわかる各国別・地域別世界史Bの整理」山川出版社

資料集 これはたいていの受験生に必要です。
授業の説明を聞きながら、地図、写真を確認したり、復習に使いましょうね。
「詳説世界史図録」(山川出版社)地図や年表、写真中心のテーマ別解説書と言えます。最新版を買いましょう。
最新世界史図説タペストリー」(帝国書院.870円)地図や年表、写真中心のテーマ別解説書と言えます。最新版を買いましょう。足りない写真もあるんですけど、どの史料集でもそれは変わりません。入試で使われる写真は、この本と同じ角度で撮影されたものが使われていたりするので、作問者も使っていると思います。お勧めです。
「史料から考える 世界史二〇講」(岩波.2014.p182)高句麗王の碑文、ギリシア叙事詩、明代の評論や小説、「人権宣言」、奴隷船航海記録など多様な史料から歴史を読み解くための本です。歴史総合、世界史探求用にはいいかもしれません。
「世界史史料1-12巻」(岩波)特によく出る20世紀を扱う10.11巻は目を通しておくといいかなと思います。四千円から五千円で値段が高いので、図書館で借りて、重要な箇所がわかったら、その部分をwikipediaで探してPC/スマートフォンにコピーしたり、ノートに貼ったり、史料集に挟んでおくという使い方が受験生には適切だと思います。

文化史
通史が終わったら、文化史が苦手な人や、ハイレベルの大学を目指す人はしてもいいかもしれません。通史をしっかりした人なら、文化史を特にしなくても合格点は取れると思いますけどね。
「NEW青木世界史B講義の実況中継 文化史」(語学春秋社)講義形式の教科書です。多分絶版です。
「タテ×ヨコ 文化史×世界史集中講義12 新装版」(旺文社.907円)テーマ毎にまとまっています。標準レベルですね。

用語集
 http://www.y-history.net/appendix/appendix-list.html 世界史の窓 用語集は無料です。
「世界史用語集」(山川出版社.2023年)最新版を買いましょう。世界史と書いてあるんですけど、世界史探求の教科書から用語を拾っています。GMARCH以上を目指す人にはいいかな。偏差値50台の大学なら必要ありません。用語についている頻度の番号は、入試の出題頻度ではなくて、掲載された教科書の数を示しています。③は三種類の教科書に掲載されているということです。③でも入試では頻出の用語もあるし、⑥でもめったに出題されない用語もあります。

歴史総合
「大学の先生と学ぶはじめての歴史総合」(角川.1760円.2023年)ようやく歴史総合のまともな参考書が出ました。読みやすいし、理解しやすいですね。基礎レベルかなと思います。
教科書は
「明解 歴史総合」(帝国書院)が一般的だと思います。教科書販売/卸会社で売っています。
「よくわかる高校歴史総合」(学研.2022年)書店で目立っているオレンジ色の本です。教科書を解説したような感じで、優れているとは思わないんですけど、何もないと心配だという人は持っていてもいいかもしれません。
「高校歴史総合をひとつひとつわかりやすく」(学研.2022年)基礎レベル。ワークブックですね。見開きごとに問題も付いています。あくまで、授業前に重要語に触れておくための予習用です。これを読んだら、すぐに教科書、または別の参考書で理解を深めましょう。

使い方

参考書の使い方は、予習用ならあんまり考えずに読みます。重要語に聞き覚えがあるくらいになって、出来事の順番がなんとなく頭に入れば、いいと思います。
授業用なら、ノートではなく、参考書に下線、波線を書いたり、枠で囲ったり、重要語同士を線でつなげたり、余白に書き込んだりします。一冊に知っていることすべてを詰め込むと、復習、確認が楽になります。ノートを取る時間=講義を聞き流している時間を少なくできます。
復習用なら、理解しようと思って、じっくり読みます。
授業用と復習用が同じ本なら、それを使って、架空講義をします。架空講義の方法は別でも書いたんですけど、目の前に生徒がいると思って、苦手なところ、理解が浅いと自分で思っているところを、その架空の生徒に講義してあげます。声を出して、テキストを読んで、地図を指示して説明してあげます。生徒は頭の中にいてもいいし、幻視でもいいし、ぬいぐるみでもいいですよ。兄弟姉妹がいる人なら、聞いてもらってもいいかな。それで自分の理解が深くなるし、自分の理解ができていなかったことがわかります。つまり復習すべき=確認すべきところがわかります。


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