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原動力

たぶん、無意識に避けていたのだと思う。
高校の時に失った友人について、具体的に思い出すことを。
これまで触れていなかったが、書くことで、どうしても思い出してしまう。

気づけば、あの時から20年以上経ってしまった。
事故の原因となった相手が見つかったのかどうかも、知らない。
調べれば、すぐわかるのだろうが、調べようという気にならない。
責める相手を特定したところで、何かが変わるわけでもなく。

地元に帰って、久しぶりに共通の友人に連絡を取り、会った。
もう一人加わったこともあり、話したいと思っていたこととは全然別の方向へ行ってしまった。
誰が悪いのでもない。

勇気がいるのだ。
未だに。

忘れたわけでない。
高校生という多感な時期に起きた友人の死と、私たちの心に広がった余波は、卒業後、それぞれの道を進んでいったこともあり、深く考えることもなく霧散した。
悲しい、空しい、不安、なぜ、これから私はどうなるのだろう…と渦巻いたさまざまな思いは、教室から幾度となく眺めた空の青さに吸い込まれていったように思う。

でも、まだ、溶けずに沈んだままの塊がここにある。
それが、グリーフ・ケアを学びたいと思った原動力になっている。


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