強いとはどういうことか

弱さとは、安定しないことだと思う。どのランクの人でも神フリックをかまし、IQ200の立ち回りをする"強い"瞬間はある。バロラントは一試合が長いから、重要なのはその平均であり、気体分子の熱運動のようなイメージである。下のやつみたいなやつ。どんなに強い人でもガバる瞬間はあるがその割合が少なく、どんなに弱い人でも神エイムの瞬間はあるがその割合が少ない。

この差はどこから生まれるのだろうか、どうすれば良いプレイの割合を増やせるだろうか。
カギとなるのは当然「理解してやっているのか」だ。
具体的に考えよう。(具体例は無限にあるはずだけどうまく説明できそうなのがあんまり無いから足りない分は自分で考えてね)

1.置きエイム
もし「ヘッドラインはこのくらい」という理解がなければこういう置き方をするかもしれないし

「起き幅はこのくらいが反応しやすい」という理解がなければこういう置き方をするかもしれない

もちろん(例えばヘッドラインより上を狙ってしまう可能性もあることから)それでも偶然最適な位置にエイムが置かれる可能性はあり、そのとき低確率の良いプレイが出ることになる。このような"理解"はさらに深められ、エイムの置き方にはさらなる工夫ができることに注意。

2.ジェットのエントリー
ブリンクで手前確認するエントリーは定番だが、もし「敵がいるか確認するためにやってる」という理解がなければ、例えば「ショートにいる味方がすでに視認している位置なのにわざわざもう一度確認する」みたいなことが起こるだろう。(これは例として極端すぎるかもしれないが、ブリンクで一番確認するべき場所を毎回考えてできているかとなるとあまり簡単な話ではない)

3.ラッシュ(攻め方)やプッシュ(守り方)
例えば「相手の傾向からこのサイトにラッシュを止められるキャラがいない可能性が高い」とか「唯一ラッシュを止められるスキルを持ってるキャラをナイフで捕まえたから入ってしまおう」とかラッシュの判断をする場面はたくさんあるが、理由のないラッシュは当然弱い。理由がないのだから、12ラウンド連続でラッシュをしてすべて止められる可能性も出てくる。
一方、例えば「ラッシュが止まらないからメインを抑えてスキルを吐かせよう」とか「代わりに他のエリアを取りに行ってリテイクを有利にしよう」とか考えたうえでプッシュするならアリだが、理由もなくプッシュしたら事故る可能性がかなりある。
このラッシュやプッシュの例はどちらも偶然刺さる可能性は常にある。理解してやっていないなら刺さらない場面でも堂々とそれをやってしまうだろうというのが問題なのである。この理解の程度というものは常に相対的であって、相手より深いかどうかが重要という点に注意。判断をきめ細かくしなければならない。

以上とりあえず思いついた例を挙げてみたが、このような例は無限にあり、ゲーム理解が深ければ深いほど多くの例を挙げられるのだろう。
「何かを理解してやっているわけではない」ことが弱さの正体というのがとりあえずの結論である。

では理解とは何なのか、理解してやっているというのがどういうことなのか、もう少し詳しく考えてみる。
ゲームをプレイするということ自体、「用意した(あるいはその場で考えた)シナリオを実現させる」と言い換えられないだろうか。ただしこのシナリオはその前後で自分らが(より)有利になっていなければならない。
具体例にあてはめれば、
「ピークしてきた相手の頭がちょうどクロスヘアの位置にやってきてマウスをほとんど動かすことなくワンクリックで倒す」というシナリオを実現させるためにエイムの位置を工夫する
といった感じである。
となると理解の深さは「シナリオの引き出しの多さ」と言い換えられそうである。

シナリオを表現するのに使われる言葉は、実際にラウンドの中で何が起きたのか説明する言葉と同じはずである。
シナリオは実現可能な限りで意味を持ち、また実現されたことはシナリオの候補になるからである。
つまり「すでに経験したラウンドで何が起きたのかを説明すること」に努めることが、一つの理解を深める方法になる。
これは簡単なことではない。「撃ち負けたぁ」より「位置がバレていてグレ投げられたことで不利な撃ち合いを強いられ負けた」と言うべきで、「なんかめっちゃ敵いた」より「AメインがクリアされBに寄られていた」と言うべきである。後はこれをどこまでできるかの勝負になる。ラウンド中の全員の動きを図示したとしてもそれは良い説明にはならない。何らかの観点に基づき良いラウンドの要約を考えなければならない。時間的・位置的に離れた出来事をつなげて考えるのは難しいことである。あらゆる点に注目せよ、としか言いようがないのかもしれない。
例えば下のような表を書いてみるのは有効かもしれない。(めんどくさくてやめたけど)

各エージェントに視点を固定しているので、ミニマップ上で動きを追うのとはまた違う見方ができるかもしれない。また時間の使い方を見るのにも便利な気はする。このようにラウンドを要約する方法を探す必要性は感じる。ただし要約というのはマクロ面のことだけではない。マクロもミクロもラウンドそのものではなく一つの観点に過ぎない。

このような考察がランクを上げることにどこまで貢献するかはわからないが、もし何かを理解して上達できたなら、それは強いことだと思う。


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