IGLがすべきこと1

次のような状況を考えてみる。こちらは攻めで、0-6で負けている。直近の数ラウンドはラッシュをつぶされまともに撃ちあえていない。なぜか毎回サイトに3人以上いる。ぜったい敵8人くらいおるって。
このまま同じ負け方を続けるわけにはいかないから、何か攻め方を変えるべきである。その決定をIGLが引き受けるものとして話を進めることにする。
マップはアセントで、守りの配置がA3B1であるとする。
簡単に思いつく案をいくつか並べてみる。

  • 最初からBに行く

  • A3が確定した段階でBにローテする

  • ミッドと挟んでA攻め

  • Aスタックで時間を置いてA攻め

  • 広い配置をとりアラボや索敵スキルなどを壊してまわる

これらはすべて正解の選択肢になりうる。例えば相手がアイアンでそもそも守りの配置に無関心だとしたら、そもそもAに片寄っている自覚すらないのだから、単純にBを攻めれば簡単にエントリーできるはずである。例えば守りがショートを捨てメインとサイトで当たろうという作戦をとっているなら、ミッドからも圧をかけることで有利な撃ちあいができる。
ただし本当はもっと、いくらでも選択肢はあるはずである。

では、このような選択肢の中から正解を選ぶにはどうすればよいだろうか。そのためには「負けている原因」(この場合は守りがAに3人寄せる判断をした根拠)を突き止める必要がある。

そこでIGLがやるべきなのは「ミニマップを見続ける」ということだ。そして単にマップをよく見るというだけではなく、そのラウンドに起きたことを一通り記憶するべきである。なぜなら、攻め視点でA3が判明した瞬間と、守り視点でA3を判断した瞬間は時間的にかなりずれているからである。例えば開幕リコンでA確定されていたとする。すると開幕2秒で守りはA3の判断をすることになるが、そこからA3に攻めが気づくまでに、メインを取ったりこちらも開幕スキルを入れたりで忙しい時間を挟むことになる。するとリコンを撃たれていることに気づかない可能性すらある。時間的、空間的に離れた場所での出来事を結び付け因果関係を見出すのがIGLの仕事というわけである。これはある意味、推論というスキルによって情報をとる行為ともとれる。当然ミニマップだけでなくVCも重要な情報源である。

「Aに敵が多い」からローテするのではなく、「A多いけどA行こうとしてたことがバレてたわけではなくてそしてこれからB行こうとしてることもバレてない」からローテするのである。IGLの判断には精緻さが求められる。


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