【日記】全ての人から好かれるなんて無理だけれども【貝のあぶく】

日本のカレーが世界で一番人気の伝統料理らしい。
わかる。カレーおいしいよね。
そんなカレーでも、全人類に好かれている訳ではない。
嫌いな人もいる。
だから、所詮一人の人間が全人類から好かれようだなんて、無理な話。

薄らと「この人苦手だなぁ」と思う人がいる。
おそらく私はそういう人が多い。
第一印象で決めたり、レッテルを貼ったりするのは良くないとわかってはいるけれど、どうしても色眼鏡で見てしまう。
そして、一度掛けた色眼鏡を外すことができない。
一度でも苦手だと思ってしまえば、ずっと苦手。

しかも、私はその苦手を隠すことができない。
良くいえば素直なのかもしれないけれど、社会で働くには少々厄介だ。
相手にも苦手が伝わると、コミュニケーションがしづらい。

出会った頃は「この人、苦手かも」と思いつつ、何とか笑顔を作ることができる。
向こうも社会人である以上、初対面でびっくりするほどの失礼をする訳ではないし。
だけれど、長い間接しているうちに、段々と「苦手」が積もっていく。
だんだんと一歩二歩と引いていく。
態度に表れる。
のだと、思う。
自分がどういう変化をしているのか、客観的には見えづらいからわからないけれど。
けれど、自覚はあるから、おそらく伝わってしまっているのだろう。

さて、今日はそんな「少し苦手」な人に確認をしなければいけないことがあった。
苦手な理由は人によって様々で、「なんとなく」とか「生理的に」とか色々ある。
今回の人は「何を言っているのかわからない」、から苦手意識が付いた気がする。
田舎なものだから、全体的に訛りが酷い。
特に年配の人になればなるほど、訛りが強い。
私も訛りはあるし、もちろんある程度聞き取ることはできる。
だけれど、電話越しだったり、マスク越しだったりすると、どうしても聞き取りづらい。
べらんめえみたいにちょっと巻き舌が絡んでくるとなおさら。
語尾もはっきり言わない人だともっと。
何度も聞き直すのは失礼かな、と思って笑って誤魔化したら、何か質問をされていた、みたいなことが何度かあった。

それに、部下を「あいつはダメ」と言っているのを聞いたこともある。
だから、余計に怖いイメージがついてしまったのも原因だろう。

そういうタイプの「苦手」な人に確認。
頑張って電話を掛ける。
電話越しの口調が他人行儀。
いや、他人ではあるけれど、前までもう少しフレンドリーでしたよね?
話し方も事務的。

そこで気づく。
「あぁ、この人も私のことが苦手なんだな」と。

相手から苦手だと思われると、悲しい。
何かしただろうかと、過去のことを振り返る。思い当たらない。
今回の件で何かあったのだろうか。けれど、わからない。

悲しみが、ぬかるんだ泥水のように溜まっていく。

だけれども、立ち止まり、気づく。

そもそも、私自身が相手のことを苦手じゃないか。
自分が苦手なのに、相手が自分のことを苦手だと思って悲しむなんて、我ながら理不尽だ。

だけれども、悲しいもんは悲しい。
その心は嘘ではない。
やはり自分は人から嫌われやすい……。

などと、ネガティブになっていた。
が、考え直す。
自分で自分を貶すことなんてない。
むしろ怒れ!

昔の私は「他人に優しく、自分に厳しく」が理想だった。
だけれど、私には向いていなかった。
ひたすら自分の首を絞めていくだけ。ひたすら自分を追い込むだけ。

その後、ネットで見た「自分以上に自分を大事にできるのは、自分しかいない」という言葉。もちろん原文は曖昧。ニュアンスだけ。
この言葉に私は目が覚めた。
確かに。自分のことを思いっきり甘やかすことができるのは、自分以外にいない。
それからは、自分に優しくなれた。
自分で自分に「よく頑張ったね」と言えるようになった。

今回も、そう。
苦手な人から苦手に思われて、だからなんだ。
むしろきちんと伝えきれていない、相手が悪い!

最近はアンガーコントロールなどと、怒りをコントロールすることが美徳とされている。
それに反対するつもりはない。
心を平穏に保つ方が余程良いし、怒りにまかせて人を傷つけるのは良くない。

だけれども、今回みたいに、悲しくて自分を責めるくらいなら、いっそ怒った方が私はいいと思う。
相手に怒りをぶつける訳ではない。八つ当たりをする訳ではない。
俯いていた顔を上げるために、怒るのだから。
怒れば歩き方も変わる。
食べる元気が沸いてくる。

今日の晩ご飯は奇しくもカレーだった。
私はカレーが好きだ。
毎週カレーを食べてもいいくらい。
カレー屋巡りをするくらい。
だけれども、そんなカレーでさえも、苦手な人がいる。

私の偉かったことは、まず食わず嫌いをしなかったこと。
最初の内はきちんと対話をしようとしたところ。
それから、苦手だと思っても、きちんと確認のための電話をしたところ。

これだけすれば、義理を果たしたといえるのではないだろうか。
苦手は苦手。合わないは合わない。
これからも、お互い適切な距離を保っていけばいい話。
仕事の都合上、話をする機会もあるだろう。
そのたびに素っ気ない素振りをされて、少しは傷つくだろう。
だけれども、少し怒って、「ちゃんと話掛けた私、偉い」と自分を褒めたい。

カレーをたくさん食べたため、体重が0.4キロ増えました。

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