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「可能性にアクセスするパフォーマンス医学」
「格闘技医学」の提唱者、二重作拓也さんの新刊「可能性にアクセスするパフォーマンス医学」(星海社新書)を読みました。空手家でもあるスポーツドクターが、格闘技と医学の知見をベースに、スポーツのみならず、、舞踊、音楽などあらゆる分野のパフォーマンスを向上させる可能性について説いた好著です。
本書の「はじめに」でも書かれているように、核となるメッセージは「誰もがパフォーマンスを向上させられる」ということ。むしろ、これを本書のタイトルにしてしまった方が良いのではないかとも思いますが、あえて「キャッチ―」なフレーズを避けたのは、著者の誠実さなのかもしれません。
脳、身体、視覚、呼吸、睡眠など様々な観点から人間のパフォーマンスを考察していますが、著者が医師であるだけに、説得力があり、この手の書籍にありがちな曖昧さはありません。
例えば「相手と一体になる」というイメージは、合気道において非常に大切な感覚ですが、それは柔道やレスリングでも同じらしい。著者はそれを豊富な実例を示ししながら説いていきます。
説かれていることの多くは、頭で理解できても、身体はなかなかついて来られないことかもしれません。その一方で、今すぐにでも取り組めそうなことも。私は練習後には必ず。内容をメモしておく習慣がありますが、著者は「ノートに『何をやったか』だけではなく『何を感じたか』を記すように伝えています。感情はその瞬間にリアルですから」と。言われてみれば非常に大切なことで、その方が脳にも、身体にも残るでしょう。
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