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アメリカ:『神秘主義者から見た聖ヨセフの生涯』についての著書が出版される

USA: a book on "The life of Saint Joseph as seen through the eyes of mystics" has been published.


『The life of Saint Joseph as seen through the eyes of mystics(神秘主義者から見た聖ヨセフの生涯)』

ベネディクト会の出版社であるSt. Benedict Press/セイント・ベネディクト・プレスと提携するアメリカの出版社TAN Books/タンブックスは、今年の聖ヨセフの祝日である3月20日に、聖ヨセフに捧げるオリジナル作品を出版した。これは、14世紀から19世紀にかけて、5人の聖なるカトリック神秘主義者が体験した幼子イエスの守護者のヴィジョンである。本書は、カトリック信徒で歴史家、神学者であり、米国カトリック司教会議の顧問でもあるポール・ティグペン/Paul Thigpenが執筆したものである。ナショナル・カトリック・レジスター誌/ National Catholic Registerによると、この研究の価値は、「複数の物語を一つのスタイルに、そして史料を超越した一つの証言に融合させたことだ」という。

本書には、スウェーデンの聖ブリジッダ/ St. Brigid of Sweden(1303-91)、スペインの2人の女性、神の僕、マリナ・デ・エスコバル/ Marina de Escobar(1554-1663)とアグレダのマリア/ Maria of Agreda(1602-65)、イタリアの神の僕マリア・セシリア・バイジ/Maria Cecilia Baij(1694-1766)、ドイツの福者アンナ・カタリーナ・エメリック/ Anne Catherine Emmerich(1774-1824)の5人のカトリック神秘家の物語を収録。

著者は解説の中で、「これらは聖書の一節ではなく、誰も信じることを要求されない」と念を押した。「しかし、『人間の魂の専門家』によって書かれたこれらのテキストに対する瞑想は、主に霊的な価値観に新しい光をあてる。なぜなら、これらのヴィジョン(幻視)には、聖ヨセフ、イエス、マリアだけでなく、私たち自身をも見ることができるからだ。これらのヴィジョン(幻視)に含まれる物語は、私たちが自分を見つめ、聖家族を模倣するための鏡のようなものであり、それによって私たちの人生に正しい方向性を示すことができる」と指摘した。

「私たちはこれらの著作の中で、マリアとその子供の世話をするという特別な使命のために、聖霊が子供の頃からヨセフを準備していたことを見いだす。また、この本には、聖人が、この神の呼びかけを受け入れる勇気と知恵、ベツレヘムとエジプトへの旅の間、家族の世話をしたことが書かれている。そして、ヨセフが家族を養うために働く『ナザレでの長く隠れた年月』がやってくる。そして最後に、『イエスとマリアの腕の中で安らかな死を迎える姿』が描かれている」とティグペンは述べた。

神秘主義者が語る様々なエピソードは、ドナルド・キャロウェイ神父も『聖ヨセフへの奉献/Consecration to St. Joseph』で詳しく書いているように、「聖ヨセフの悲しみと喜び」に分類することができる。例えば、エジプトへの逃避行の場合、敵国とまではいかないまでも、未知の国への危険な旅である。5人の女性のヴィジョン(幻視)では、聖家族は道中で強盗に遭遇するが、彼らは幼子に対して手を挙げる勇気はない。一方、エジプトのヒエラポリスでは、ヨセフがユダヤ人たちに聖書を教えている。そこで偶像崇拝に陥らないようにとの配慮である。一般に、幼い救い主がエジプトに到着したことは、当時「偶像崇拝の母国」とされていた国に住む人々に喜びをもたらす。それは、自分の故郷を離れるという「悲しみ」からくる「喜び」である。

これらの神秘的なヴィジョン(幻視)の共通点は、私たちを助けることができ、また助けたいと願っている聖ヨセフの並外れた信仰の力である。なぜなら、神は、かつて、イスラエルの王として油を注いだダビデに似せて、聖家族の守護者、そして教会の守護者としてヨセフを選ばれたからだ。この守護者の中に、私たちは驚異的な優しさ、気高さ、そして知恵と勇気を発見する。

最後に、本書の著者は、上記の神秘家のヴィジョン(幻視)を通して、教会の保護者である聖ヨセフを再発見することを、すべての信徒に勧めた。

Fr.jj(KAI Tokyo)/New York

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