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愛猫 闘病日記・8週目

前からの続きです。


猫の調子が良くない日が続いていたけれど、病院で血液検査をしたらとても良い結果だった。いや、良くはないけど思ったより回復傾向にあった。肝臓の数値は悪いけど、ビリルビンは正常値。他は劇的に良くなっていた。体重はまた減ってしまったから、毎日の注射の液の量を減らす事になった。数値的には悪くないから3回目やりましょうという話になった。

この1週間がホント、奇跡のように調子が良かった。

毎日ご飯もパウチ一袋食べて、朝は2階まで起こしに来て、人がリビングに来る度に、誰か帰宅する度にお出迎えした。

朝起こしに来たのが嬉しくて、子猫だった時ぶりに私の部屋に入れた。とても嬉しそうで、ここ最近で一番のゴロゴロを聞けた。

家族で夕飯を囲む時にはスツールで猫の席を設けたらそこに毎回乗った。ご飯を食べる家族の顔をじっと見てた。嬉しそうだった。

人の膝に入りたがって、母にも兄にも父にも引っ付いてた。もちろん私にも。

猫は私が夕飯を食べてる時に膝に乗って抱っこされるのが大好きで、2ヶ月ぶりに乗りに来た。椅子に座る私の膝に乗るジャンプ力なんてないのに、しがみついてよじ登った。いつものように仰向けに抱っこしてあげると、目を瞑って幸せそうに撫でられた。そんな事が2回もあった。

兄は猫が小さい頃よくあぐらの上に座られていて、そんな姿を久しぶりに何回も見た。

猫は久しぶりによく鳴いた。顔を見ては鳴き、名前を呼ばれては鳴き…病気前の声より低くなってしまったけど、前みたいによく鳴いた。

「すごく調子がいいね」

「これだったら治っちゃうんじゃないかな」

家族でそんな事話すくらいに、明るい雰囲気だった。

注射はもちろん毎日してた。むしろ、調子の良さはこの注射で保ってるんじゃないかという気がした。ツライけど、やってる価値はある。だんだん注射を嫌がるようになってきた猫には、私は嫌われてしまうかもしれないけど。それでも、こんなに幸せそうに生きてくれるなら。

抗がん剤治療をしていくとどうしても痩せていってしまうとHさんから聞いていた。今は4.2kgだけど、2kgきっても生きてる子がいると聞いた。薬だけで生かして、あんまり長く苦しませるのは本意じゃない。

いつか、どこかのタイミングで、決断しないといけない時が来る。

でもその時、私は「もう抗がん剤をやめよう」と決断できるだろうか。

頑張って生きてる子の命を、自分からやめさせるような事できるのだろうか。

それはもう、その時になってみないとわからない。

そんな事を思いながら、でも今この瞬間の猫の様子を喜んでいた。


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