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愛猫 闘病日記・5週目①

前回からの続きです。


猫の様子が一ヶ月前とあまりにも違うから「鬱なんじゃないか」という説すら出だした。ずっと寝てるから筋肉が落ちて後ろ足もふらつくようになってきた。そして猫ちょっと軟便になったかな?なんて思ってはいた1/25。本格的に下痢になった。

これは…マズイ気がする。

猫の健康状態は、機嫌ではなく食欲や排便で認識するよう決めていた私としては、かなり由々しき事態だと思った。しかし病院の先生は相談しても「どうかなー」と言うだけだし、もう聞いた所で…みたいな気持ちも大きくなっていた。

最後の手段である。

猫を譲ってれた保護猫団体のHさんへ連絡を取る事にした。いや、正直何度かその話も出てはいた。しかし、Hさんは200匹以上の保護猫達を扱ってらっしゃるから、お忙しいのに申し訳ない…そして、もしかしたら何かのきっかけで愛猫がまた良くなるのだと思っていた部分が大きかった。信じたかったのかもしれない。本当の病気を知るのが怖かったのかもしれないと、今となっては思う。

その夜に電話をかけてみた。

膵炎からの状況や体重の変化、病院の先生がおっしゃってたこと、どのタイミングで、その間にも電話で相談したりしたけど…という流れを一気に話した。

「かなりマズイ。体重が1ヶ月で1.5kg落ちてるのがマズイ」

「病院を変えた方がいいかもしれない。K病院に行くならI先生が良いよ。話をつけておくから。何日に行く?」

さすがすぎる!!!本当に有り難い!!!!!

先生のシフト調べて明朝一番に駆け込むことを決めた。前の病院はうちから車で3分だったけど、今度のK病院は車で25分かかる。猫に負担をかけたくなかったけど、こればかりは我慢してもらうしかない。

今回の件でひとつ余計な事といえば、父が「オレは前からHさんに電話した方がいいと思ってた」という一言である。これは本当に良くない。今までずっと一緒に相談してやってきて、どの判断も話し合いの上だったのに、急に「お前らの判断ミス」みたいな態度に取れるのだ。本人はそう思ってなくても、だ。「それは今、ホントに言ってはいけない事だ!」とめっちゃキレといたけど、絶対わかってない…同時に私も気をつけようと思った。何気ない一言でこんなに裏切られた気持ちになることもあるんだ、て勉強になった。特に、命あるものへの対応として最悪であった。

明朝1/26、K病院にオープン15分前に到着し、母と待つ。おかげで一番に通してもらえてI先生の診察。猫のお腹を触り苦い表情をしてる。何。

「お腹に嫌な感じの歪なしこりがありますね」

血液検査とレントゲンとエコーします、と30分くらい待合室で待った。その最中に昨夜の保護猫団体さんが猫を連れてお見えになる。

「どうだった?診察もう終わったの?」

心配して時間を合わせて来てくださったんだ!本当に有り難い…。いい人すぎない?すごない?そしてその後呼ばれた検査結果には同席してくださった。本当に心強い。結果は…

「リンパ腫ですね。5〜6cmあります」

シコリと聞いた時から覚悟はしていたけど、リンパ…もう助からないやつじゃん…

「完治する腫瘍ではないのですが、抗がん剤治療で2〜3ヶ月は良い時をあげられるかなという感じです。どうしますか?」

え…

… … …

… … … … …

全っ然決められん。頭ん中真っ白。決める云々よりまず受け止められん。

検査から帰ってきた猫の頭をゲージ越しに撫でるしかできなかった。先生はその後いろいろ話してくれてたと思うけど「この子もう死ぬんだ」ていうのがじわじわ実感してきて、頭撫でてるのにそのうちいなくなってしまうのか、と急に号泣してしまった。

母が隣で「治療します」て言ってるけど、なんかもうホントよくわからん。抗がん剤治療なんてしていいのかな?こんなに小さい身体にすごくツライんじゃないの?友達が抗がん剤やってた時、副作用でホントに死にたいくらい痛くて辛かったって言ってた。そんな思いをこの小さな猫にさせるの?私の「まだ一緒にいたい」とか「早すぎる」とかのエゴで生かしていいものなの?言葉がわからないのをいい事に人間の好きに操作するみたいな…。でも具合が悪くなってから猫がすごく辛そう。人が好きなはずの子なのに、怯えてぐったりしてほとんど起きてこない…そんな風に死を迎えていいの?でも2〜3ヶ月…

もうエンドレスにぐるぐるして、こんなに何も決められない事ってあるんだな…なんて思った。そんな私をよそに、抗がん剤しますーと母が言ってるはずなのだが、話は進んでないようだった。Hさんが私を見て言った。

「うちの保護してる子にも抗がん剤やってる子いるよ。同じリンパ腫。最初は覿面に効く。打って2.3日は副作用で食欲ないけど、その後良くなるよ」

次いで先生。

「抗がん剤って言っても人間みたいにたくさんの量できるわけじゃない。猫だからほんの少し。副作用は出るけど、人間ほどひどくは出ないよ」

人とは違うのか…だったら良いかもしれない。

「もし抗がん剤をしなかったら、あとどれくらい生きられるんですか」

「わかりませんけど、1ヶ月…2ヶ月もつかなぁ…」

 無 理 !!!!!

余命短すぎだし、このままぐったりしていくのを見てるだけなんて無理すぎる!

「抗がん剤治療よろしくお願いします」

そのまま猫は引き取られて1回目の抗がん剤をする事となった。夕方迎えに行くので、仕事場に向かいながら母と話した。

「思ったより悪かったね。ワケわかんなすぎて鬱とか言っちゃってたよね。猫にかわいそうな事した」

「猫だいぶ痩せて体力ないから、もしかしたら1回目の抗がん剤で死んでしまうかもしれないよね…でもそうなっても後悔しないようにしようね。猫ずっと苦しそうだったから」

などなど。母は

「猫はいろいろ教えてくれるね。勉強させてくれる」

と言ってたけど、なんか違くない…?と思いながら運転するのであった。





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