5/8 (水) 青い皿
洗い物は父の仕事だ
なんとか家事に父を参加させたがっていた母との落とし所がそこだったようで、いつの頃からかそうなっていた
油のついたものも、水しか入れていないコップもいっしょくたに洗い桶に入れ、スポンジで擦っている間にも水を流しっぱなしにするなど、みていて歯がゆい点は多々あるのだが、下手に口をだして、せっかく自ら取り組んでいることのやる気をなくしてしまっては元も子もないので、目をつぶって任せている
洗剤を洗い流したあとの食器を、水切り籠の容量以上に積み上げて崩してしまうので、父が取り掛かる前にある程度処理して減らしておくのだが、甘かったようだ
なにかが落ちて割れる音がした
それはヒヤシンスのような青の皿
母がこれを買った時のことを覚えている
店で見たというそれを何度か話題にし、手持ちのものとの取り合わせや載せるものをイメージした上で満を持して招き入れたのだ
破片が危ないので、いったん父を退避させて片付けていると、
「好きな皿だったんだがなぁ」
と父がつぶやくのが聞こえて、意外だった
その皿を好んでいたという点ではなく、皿に好き嫌いを感じている、ということ自体が
そうだね
わたしもその皿好きでしたよ
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