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11/20(月) 柿


実家に着くと、玄関に渋柿が収穫されていた
父は干し柿マスターなのだ

しかし、それから3日経っても、一向に手をつける気配がない

本人は自分でやるつもりなので手が出せないんだけど、そろそろ取りかからないとまずいんじゃないですか?

もはや干し柿をつくるのも、父にとってはちょっとハードルの高いミッションになっていて、時間と気持ちに余裕がないととりかかれないのかな

以前、夏木マリが、歳をとると1日ひとつのミッションで精一杯で、郵便局に行ったらもう今日は終了、みたいなことを言っていたのを思い出す
父を見ていても、自分にとっては「昼休みに済ませること」くらいの用事が、一日仕事になる感じってある

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庭の柿の葉を掃いていると父が、
「(母の施設から)帰ったら、俺が集めて持っていくよ」

うーん、それ、帰るころには言ったこと忘れちゃうやつでしょ?
でもそのお気持ちは無碍にできないから、一旦作業を中断しなきゃいけないやつでしょ
と、渋々引き上げたのだけど、意外にも戻ったあと熊手で掃いていた
疑ってすいません

父も母も、この一年「自分がやらなきゃと思ってはいるけれどできていないこと」を他人に処理されそうになると、
「後で自分がやるからいいよ」
と、遮る傾向があった

できていないことを指摘されている気持ちになるのかなー、とか、手を出されたくないのかなー、とか、気持ちはわかる気がするのだけど、今すぐではなく「後で」で、大抵は結局やらずじまいなので、そうするとこちらは本人が見ていない隙を狙って処理せねばならずなかなか忍耐力が要る

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干し柿は、そういう、陰で処理すればいいことではなく、父自身がやりたいことなはずなので、じりじりしつつ赤みが増していく柿を眺め、こびとのくつや的に少し進めておこうかと思いはじめた4日目の夜にようやく父が剥き始めた

4個で限界だったみたいだけど頑張った!

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