唯一の女性隊長『ウルトラマンティガ』高樹澪の存在意義(3)彼女にリアルを与えた脚本家/『ウルトラマンA』覚え書き(33)

というわけで『ウルトラマンティガ』第3話。シリーズ唯一の女性隊長、高樹澪演じるイルマ・メグミの存在意義も、いや、物語の構造や全キャラクターの設定そのものが曖昧模糊のまま2話を消化してしまった『ウルトラマンティガ』に革命が起こる。それが第3話「悪魔の預言」(脚本=小中千昭、監督=村石宏實)だ。以下、やや詳しく紹介したい。

開始早々、テレビの情報番組にゲスト出演している我らがイルマ・メグミ隊長。突如地球に出現するようになった怪獣、そして怪獣を退治する巨人(第2話でウルトラマンティガと命名された)について世論が沸騰するなか、テレビ局の依頼で出演したというわけだ。

「この巨人は、われわれ人類の友人なのでしょうか? 私たちの脅威となる可能性はないのでしょうか」と問う女性司会者に対し、凛々しい制服姿のイルマ隊長は答える。「ウルトラマンティガは、私たちの理解できない力、意識を持っているでしょう。どこから来たかについては、現在GUTSで調査しています。しかし、彼は私たちを守ってくれる存在だと考えています」。基地では男性隊員たちがそろって「隊長、テレビ映り滅茶苦茶ええな」などとテレビ画面に見入るなか、若い女性隊員ヤナセ・レナが気に入らぬ面持ちで「何よ、私だってテレビくらい……」。

ここから先は

2,593字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?