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初夏

目を閉じて
姿なき君を想い
ただただ
痛みを抱く胸に
月の雫を
満ちる前の欠けた月の涙
やがて
朝陽が照り
夏の勢いに
草原は背を伸ばす
隠してしまえるなら
草原に
されど風は優しく嗜め
前髪を揺らす
私は洞の入り口に立ち
ゆっくり草原に歩み出るだろう
よろめきながら
足元には小さな花の咲き乱れるも
夏の雲が夜を離れ
暁に染まり
春の終わりを悟す

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