いつの間にかSは、なかよく「してくれる」3人も含め女子社員全員を敵に回してしまったのでした。
でもきっとSは死ぬまで、何故自分がそこまで嫌われてしまったのかわからないことでしょう…というか、今でももしかしたら、嫌われていたなどとは思っていないかもしれません。

どういった風の吹き回しか、Sに縁談があったのでした。「男は顔」と言って言って憚らないS(実は婚約した3人組の一人の、婚約者がちょっとイケメンだったのもまた、Sの嫉妬を買っていたのでした)が、そんなに好みの相手を見つけるなんて…と、みんなが思いました。
Sの性格はますます手に負えなくなり、あからさまにSを嫌う女子社員の数も増え、というか男性社員からも大いに嫌われるようになってきました。

ああいうタイプの女というのは何故、すぐに偉そうになるのでしょうか。
彼氏ができた・結婚を前提に付き合っているというただそれだけのこと、誰にでも起こりうるし既婚者は全員その過程を経てきたことだというのに、Sはまるでオリンピックで金メダルを取ったか、あるいはノーベル賞でも受賞したかのような大騒ぎ。
彼氏がいない女子社員に「まだ彼氏できないの?売れ残るわよ~」
彼女がいない男性社員に「まだいい話ないの?ハゲでもしたらどうするの?」
既婚者に結婚式をしたかを聞き、していないという答えに対して「よくそんなけじめのないことをご両親が許しましたね?」「お式をしないなんて絶対考えられない」
したという話を聞いたら式場を聞き出し「ああ、あの安っぽいところ!あんなところじゃしない方がマシじゃないですか」
披露宴や二次会の規模を聞いて「そんなしょぼい人数で!」「そんなちっさいレストランで?信じられない!」

などなどなどなどなどなど、あまりの暴言・妄言ぶりに3人組以外はますます必要最小限でしかSに関わらなくなっていました。

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