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現代の神さまたち

ニコニコ動画を見るタイプの仲の良い友人に
「MUGEN」という格ゲーの動画視聴を勧められた。
様々なキャラクターを作って、ゲームという枠を超えて戦わせることが出来るらしい。
(ストファイのキャラvsサクラ大戦のキャラ、とかも可能らしい。)
私は格ゲーに全く知見が無かったので見るのを断念したけれど
その内容は素晴らしかった。
あらゆる技術ある人達が娯楽を極めていて、AIを作ったりまでしてるらしい。

そういう「無言の秩序」が保たれる空間が、この世にはいくつかあって、
恐らくメンズエステも私の働き始めた直前くらいまでは、そういう空間だった。
「抜かないのにエロい」という、絶妙なバランスを保った夜のお店だったはずだ。本指名のお客さんからも、いつもそういう愚痴を聞いていた。

ラジオも正直それに似た感覚がある。(ハライチの岩井さんにフルボッコされそうな感想だけど)
ヘビーリスナーの人たちがいて、そのラジオ独特のノリがあって、上手なハガキ職人の人たちがそのノリを理解したうえで、番組を作る一端を担ってる。

なんというか、常連さんばかりが来る飲食店みたいな感じだ。
(私が学生の頃働いていたお店もそんな感じだった)

ただ、たまにそういう空間に
土足で入ってきて、めちゃくちゃにする人がいる。

本当の意味で何も気付かず、「気にし過ぎだ」と言って、力づくで滅茶苦茶にする人もいれば
頑張って馴染もうとして空気を読んでいるのに、滅茶苦茶にする人もいる。
私自身も、そうなってしまうことがあったと思う。

大学の頃、友人に誘われた読書会の後、カラオケにみんなを誘ったら、翌日、読書会に誘ってくれた友人に注意されたことがあった。

同じく大学生の頃、
近代文学作品をモチーフにしたデザートや料理を出す
ブックカフェがあって、そこには良く文学部の友達と行っていたのだけど
あるキッカケで有名になり、全く小説を知らない人たちがうるさく騒ぐ様になって
私達は行かなくなったこともあった。

加害者も被害者も、人は一度は経験すると思う。

私は基本的に自分が応援している人や物が
メジャーになることを願う(本人たちが望んでいるなら)けど、
それに強く反抗する人たちの気持ちも分かる。
荒らされていき、主導権が訳の分からない人たちに移りゆくのが気持ち悪いし不快なのだ。

地元の集まりに、誰かが恋人を連れてくる瞬間とかも
それに似た空気が漂う。
男性にしろ女性にしろ、私は人脈が広がることを好むタイプだけど、
「外部の人間」というだけで、わざとらしく嫌がらせする奴が数名いる。

でもそれは、くだらなくなくて、
秩序を守ろうとしているのだと思う。

世の中には「世界の秩序を保つ人たち」と「世界を広げようとする人たち」がいて
それとも別に「世界を創る人たち」がいる。

誰が偉いでもない。
皆んな、自分の中に目指すルールがある。

でも全員、「世界を良くしよう」と思っている。

広げた結果失敗することもあれば、守ろうとした結果失敗することもある。
なんなら、創ったこと自体が間違いだったこともある。

最近clubhouseというSNSを始めて
私は古参だけど、
なんだここは、とビックリした。

秩序がまるでなかったから。

きっと私が参加する前、「暗黙のルール」があって
「限られた人たち」によって作られた「神聖なSNS」だったのだと思う。
登録した時に「包み隠さず本名で」と記載があった。
にも関わらず、大して有名人というわけでも無い人達が
そのルールに則らず訳の分からない偽名を使っていたり、
挙げ句の果てにその招待枠を高額で売買している。

きっと、始めた頃楽しんでいた人たちは
変わり果ててしまったと感じていると思う。

まあ、正直、私はいつだって
世界を創る側の人間では無いから
その気持ちは分からないんだけど。

私は創る側の人間が常に頂点だと思っているから
その人達の意思に添いたい。

友達はそれを聞いて「かほは経営者向いてないね」と笑った。

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