インフォームドコンセント

 学校の内科検診で上半身裸になる必要があるかどうか、の論点に側弯症が渦中にいる。当事者の保護者としては強烈な違和感があるので書いておこう。
 炎上案件は女子児童が男性医師に上半身裸で診察されることへの不安についてのことで、検診の場に好んで同席する男性教諭がいる現実も知っているがそういう話ではない。そういう人びとは出て来ない。
 この話題について病気を見つけることより恥ずかしがる女児の気持ちを優先してなどと大騒ぎしている人びとのお気持ちはKには理解不能。なんも知らんお幸せな人びとだ。集団検診を軽んじる人は一定数いるが、こうも能天気だとむしろうらやましい。
 MとLの出た小学校では内科検診は運動着の半袖短パンで行ったとか。運動器検診は内科検診とは別の検診だ。整形外科医がやってくる。
 検診の前には下着姿で先生に見ていただくと説明があり、家庭でいくつかの項目を見る事前調査があった。Lは所見なし。素人に分かるもんかねぇなどと言いながら見た。で、Mは明らかに左右の肩の高さが違った。素人にもその目で見れば異状は分かり、果たしてMは側弯症であった。
 我々には内科検診と運動器検診は全然別のものとして存在している。ちなみに内科検診は医師の前でも上半身裸になる必要はない。それでも皮膚の疾患は検出される。運動器検診についてもキャミソールは着たままの検診で、Mの側弯症は検出された。
 だから上半身裸でないと検出できない説については懐疑的。
 とは言え、側弯症は着衣では分からないから少なくとも下着で見てもらう必要はあると思う。子どもがそれもイヤっていうなら親が説明して諭すフェーズになるけど、それもお気持ち優先で拒むなら話にならない。
 検診を行う側は何を見るのかどのような病気を見つける検診なのか明らかにし、どのような診察か、必要な留意事項は子どもたちに説明して同意を得るのが筋ではないか。
 そして学校はお知らせなどで説明の義務は果たしているから、子どもの同意を得るのは保護者の仕事でもある。裸を見たがる関係者から子どもを守るのと正しい医療につながる権利の獲得は別の仕事ではないか?説明と同意は子どもたちを守るのに大切なことだ。
 学校の検診で深刻な病気が見つかった当事者と病気を見つけて正しい医療に繋げたいと真面目に仕事してる医療者と学校関係者にクッソ失礼だな、と思った話。