保健室は誰のものか
保健室登校という言葉にはKが現役の学生だった頃から違和感があって、小学生の時はなかった概念かもしれない。
不登校が全国的に問題になっていて、保健室登校って保健室にでも行ければというのが藁にもすがる思いであるんだろうなと思いを馳せる。
小学校の保健室事情は分からないがMが中学校に上がって恒常的に保健室にお世話になるようになったので、通常営業の保健室の大変さを垣間見ることになった。
授業参観のあと休み時間に保健室に呼ばれていて、Mと赴いたところなかなかなカオスで具合が悪い子が来るところだから当然としても、メンタル的に具合の悪い子も結構いる。なんかずっと泣いてるし。親が迎えに来てるのに長椅子に座って親子で困ってる。
Mは毎日来てるからこの惨状に怯むこともなくせんせぇーお願いしますうと遠慮呵責なく先生に声をかける。
保健の先生は忙しそうだ。惨状と思うのはたまにしか来ないKが思うところで、もしやこれが普通なのか。
コルセットの相談に担任と面談に来たときは保健の先生は留守で、担任曰く僕たちは休んでもなんとかなるけど保健の先生は一人しかいないから大変ですよね。と。
担任はクッキングパパ似の男性である。男性にMのコルセットの脱着はお願いできないので保健の先生を始めとする女性の先生にお願いしないといけない。
保健教諭2人置けや、とは思うけどKが中学生の時全校1000人いても保健教諭は1人だったしそんなもんなんだろうか。いやいや、仕事量としては1人分だったとしてもだな、1人で回していい仕事ではないだろうよ。
と、いうわけで保健室って結構わちゃわちゃしてて基本的に親切にしてもらえるけど、休み時間なんかはいろんな子が出入りするし急病人や怪我人が出るなど突発的なことも起こるだろう、全然落ち着かない空間である。
小学校の保健室も似たような雰囲気じゃなかろうか。
それを踏まえての保健室登校なんだけど、保健室じゃなくて空き教室に親子でポツンと放っておかれてヒマをもて余した、意味あるのか、みたいなnoteを見たのがきっかけで保健室登校ってなんだろうと考えた次第。
多分出かける先があるってのが重要なのでその先が学校じゃなくてもいいんだけど、基本的に学校になるよね、子どもたちは。
それで、LもMもしょうがなし学校へ通っているのだけどLはともかくMは介助が必要な生徒になっている。だもんですこぶる元気な保健室常連なんだけど、他の生徒のお世話に忙しく対応を待たされることもあるそうだ。待つことに異論はないが、保健室ってMみたいな、学校に来ている生徒のためにあるんじゃないのかと思ったのが、違和感である。
空き教室にポツンは確かにアレだなと思うけどクラスに入れないんだからしょうがないじゃん…とKなら思うかな。中学校にはステップルーム(ドラマ「引きこもり先生」より)があるからそっちに行けって対応になりそうだけど、小学校だと情緒級は在籍している子のものだし、具体的な居場所はなかったかもしれない。
書いた人は付きっきりで個人授業とは言わないが自習できる部屋を…と書いてあったがそれがその空き教室なんじゃないか(で、ヒマをもて余したって自習してないし)。
居場所がないのが一番の問題だけれど小学校では学校が終わった夕方の時間にやって来る不登校の子がいるんだよとかMが言っていた。そういうやり方もある。
保健室に特定の児童が常駐していたらイヤだなと思うことに、もう1つ理由があって、個人情報満載の部屋だからというのもある。だから時間を限られるんじゃないか。読んだnoteには1時間だけ居させてくれたけどあとは空き教室でとあったが、親も保健室に居るつもりだった…?とちょっとゾッとする。
Mの場合は中学校だけど、コルセット生活が小学生から始まっていた場合、日常的に保健室を利用していた可能性はある。生徒児童だけならまだいいけど保護者が出入りしてると思うと、こっちの保護者は想像するだけで不快。
休み時間の度に来る高学年の子がいるとか書かれていて常連の顔を覚えるほど保健室に来ているってことは、着替えの度に来る子もいたらきっと覚えるよな、着替えでいちいち保健室に来るの?と事情を知らない人は勘ぐるよな。
他の保健室登校についてのnoteを見ると、学校側から保健室は学校にいる子のものだから別室を用意しますと説明があったとか、これは中学校の話だったけど正しい対応だと思う。
保健室の先生のところなら行けるって子どもが言うんで、ってそりゃ保健室の先生は優しいからね。でもたった1回休み時間の様子を見ただけでも、毎日特定の子が居場所にしていいところではないのが分かる。
藁にもすがる思いは分かるけど、保健室ってその思いで学校にいる子どものためにあるものじゃなかろうか。
自分の子どもさえ良ければいいの?いや、子どもは保健室登校でも何でも良いようにしたらいいけど、大人は学校にいる子どもの権利を守ってほしいと思っている。