BL備忘録『叛獄の王子』シリーズ
C・Sパキャット著(モノクローム・ロマンス文庫)
冬斗亜紀 訳
倉花千夏 絵
実直で正義感溢れるデイメンと傲慢で冷酷無比のローレント。
浅黒く鋼のごとく鍛え上げられた筋肉質のデイメンと透けるように白く滑らかな肌と輝く金色の髪をなびかせるローレント。
ふたりの対比が美しく、ハラハラドキドキの展開に頁を捲る手が止まらない!
隣国の王子。悉く対照的なふたりだが、それぞれが手にいれようとしたものは同じだった。
同じ痛みを抱え極似の憎悪を内に秘め、我が民を救わんとする。
王子と奴隷という最悪な出会いであったが、不本意でも常に側にいる状況から互いの秘めた志をしり、互いを羨望する気持ちが高まって行くさまを盗み読みする。
読者には、たまらないエモーショナルなのだ。
冷たい言葉を発するローレントの唇に釘付けになるデイメン❤️
陶器のような喉元に唇を這わせたいと想像するデイメン❤️
対峙する相手でありながらも、ローレントのもつ冷酷な美しさはデイメンが情人に求める最高の条件なのだ🎵
抗えるはずはない‼️
かたや、ローレントは漆黒の髪の間から覗く黒い目や盛り上がった筋肉、浅黒く鞣し革のようなデイメンの背中をみつめる。
かつて愛した兄の強く潔い生きざまに酷似しているデイメンに魅了されて行く己を、認めざるを得ないのだ。
が、それは同時に宿敵、執政の罠にはまることを意味していた…?
果たしてふたりは結ばれることができるのか?
✨️✨️✨️✨️✨️✨️
作者CSパキャット氏は、語学生徒として滞在した東京で当時、新たな文化としての地位を獲得しつつあった『BLボーイズLOVE』に出会い、衝撃をうけたという。
英語圏では日本ほどオリジナルBLの商業マーケットは少く、自分でも作品を書きたいとおもったという。(BL進化論/溝口彰子著)
構想4年を経てオンライン連載を始め3年間で数万人のアクセスにふくれあがった。
そこには歴史的BLと呼ばれる斬新な設定と壮大なスケールの背景をもった作品であったからにちがいない。
パキャット氏は構想の段階で「ふたりの王子」「イケメン「両者の緊張感」「追跡」「逃亡」「剣による戦い」「真実の愛」といったキーワードを書き出し、自分の大好きな物を詰め込める物語をめざしたという。
幼少から古代ローマの物語が大好きだったという彼女の知識と感性が『美しいふたりの王子の真実の愛』
の物語が世の中に送り出されたのだ。
アジア系の作品に片寄っていたけれど、これをキッカケにヨーロッパやローマを舞台の物語も制覇したくなった🎵
素晴らしいキッカケに感謝😆💕✨
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