見出し画像

ミモザに憧れて

今日の芦屋市は晴天。たしかこんな青空を見るのは3日ぶりだ。

春の晴れた日には、例によってテンションが上がってしまう。いつもより洗濯欲が増し、ベランダに出る回数が倍になる。向かいの立派な家の庭に、薔薇みたいな鮮赤の花が咲いていた。深い緑の葉とのバランスが異国チックでいい。かとおもうと、隣にはプルメリアみたいな真っ白の花もあった。これも深い緑の葉を連れている。両方名前が分からないのが悔しい。今日いきなり咲いたわけではない筈だから、私はこれが次第に開花しているそのときを気付けなかったということになる。観察力には自信があったのだけど、もうそんなこと言えない。風は、3日前の春日より強くて冷たい。陽の光はめちゃくちゃ暖かいから、ギャップに少し肌が驚く。どこからかお線香の匂いがした。いいな、誰を想ってのお線香だろうか。

本日のベランダトーク(ベランダで感じたことを話すことである。今造った)は、ここまでにして、本題に入りたいと思う。

3月8日。
今日は、ミモザの日である。ミモザの日とはイタリアの風習で、男性がお世話になっている女性にミモザの花を渡し、女性はその日一日をミモザと共に過ごす、という日らしい。なんていい日なんだろう、ミモザが大好きなので、日本でも、いや、せめて私の周りだけでもいいからこの風習を浸透させてほしい。

ミモザの日は、同じく3月8日の”女性の日”が発端となっている。1904年にニューヨークで女性の参政権を求めたデモが行われたことから、この日は女性の日といわれていた。ではミモザはどこから話にでてくるのかというと、ここからである。1944年にはイタリアでも”イタリア女性組合”が誕生し、この組合の象徴としてミモザが選ばれたのだという。イタリアのあちこちに自生していて、貧富の差関係なく女性に贈ることができるので、贈りものとして最適だったから。これがどうやらミモザの日の成り立ちらしい。
1975年には国連がこの3月8日を”国際女性の日”と制定した。つまり簡単にまとめると、今日は、国連が定めた女性の日で、それはイタリアではミモザの日とも言われていて、女性にミモザを贈る日。

今日、イタリアではミモザの黄色が街中にあふれているんだろう。好きな人に、ではなく、お世話になっている人に感謝の気持ちを伝えるために、というのがまたいい。人それぞれにミモザに思い出があるんだろうな。わたしのミモザの思い出といえば、ミモザ(細かく言うとミモザのモチーフの指輪)が好きだということを彼に伝えた大学3年の冬、彼はミモザがなんなのかを全く知らなかったらしく、ネットで”ミモザ”と調べたら出てきた”ミモザ”という名前の雑貨屋のことを私が好きなのだと盛大な勘違いをして、バイクを走らせ”ミモザ”に向かい、指輪がなかったのかそれとも指輪のことはとうに忘れていたのか、なぜか沢山のクリスマスの雑貨を買ってきてくれたことぐらいだ。あの日はお腹がよじれるくらい笑った。

日本でミモザはそれほど簡単に手に入れられる花ではないけれど、将来住む家の庭にはミモザの木を植えたい。あのまさに幸せの塊のような黄色の粒をこれでもかというほどまとわせたミモザという植物に、私は憧れを抱いてやまない。そのときは彼に教えてあげなきゃ。これがミモザだよって。

もしよろしければサポートをお願いします。頂いたサポートはライターの夢を叶える資金にします。