2021年9月16日 自殺予防週間

 家族・友人・ホットライン・医者に相談して、通院と服薬を続けてもなお希死念慮が収まらなかった人に対して、どうやら"自殺予防"は打つ手がないのかもしれない。
 相談したときの反応も「これは私のエゴだけど、あなたに死なれるととても悲しい。だから死なないでほしい」という誠実さのラインに収束しがちで、希死念慮に理解のある相手であればあるほど、相談が単純な確認作業にしかならない現実がある。たぶん普遍的で絶対的なラインなんだと思う。

安全な社会では自殺でしか死ねない

 最強の自殺予防は他殺や事故死や病死である。
 これは決して悪ふざけで言っているわけではなく、命を落とすリスクが身近にないせいで、希死念慮を抱えた人が自殺という最悪の選択肢へと追いやられるパラドックスへの指摘だ。
 命を落とすリスクが非常に高くて専門性の低い仕事――極端な例を作り出すなら、素足で地雷を踏むことで地雷を撤去するような仕事――が社会にあれば、希死念慮を抱えた人でも社会とwin-winの関係を築きながら、自殺を選ぶことなく死ぬまで生き続けることができる。
 もちろんこんな極端な捨て駒の役割は戦時下くらいでしか存在しえないのだろうけど、希死念慮を持った人を自殺志願者にしているのは彼らを包摂しない社会だということは言えると思う。

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