2021年11月18日 SGDsやべえな

 "「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会"がSDGs(SustainableDevelopment Goals:持続可能な開発目標)と称されているのがやばい。そもそもSDGsの中身が斬新でもなければ、名称が既存の単語にかかっているわけでもない、本当に単なる名称のための名称でしかないのに、その名称すらも実態から乖離しているのがやばすぎる。おれはこういうのを見るとムカっとくるんだ……。

 SDGsの中身を見ていくと、【貧困、飢餓、保健、教育、ジェンダー、水・衛生、エネルギー、成長・雇用、イノベーション、不平等、都市、生産・消費、気候変動、海洋資源、陸上資源、平和、実施手段(これだけ補足説明をしておくと、国際的なパートナーシップによって実現すること自体が目標の一部になっているらしい。つまり手段が目標の一部になっている)】の17個のカテゴリからなっていて、私なりに大きく分けて分類するなら、要するに教育・平等と平和・経済成長・環境問題の4つである。
(加えて「誰一人取り残さない」がSDGsの理念らしい。先述の実施手段と相まって、いよいよ構造がめちゃくちゃ汚い)

 これは工学部の講義で習うような基礎的な話だけど(検索すればヒットするくらいには定説らしい)、そもそも経済発展vs資源枯渇vs環境汚染のトリレンマが存在していて、それに加えて技術革新と平等性もジレンマの関係にある(農耕牧畜が富の不平等を生み出し、産業革命や貿易が格差を助長したように)。経済成長だって、安価な労働力を求める資本主義社会が女性の社会進出を促している(ピンと来ない人は「フェミニズムはどうして資本主義の侍女となってしまったのか」で検索!)みたいな話もある。
 要するにSustainable Development Goalsそれ自体でさえ、SustainableとDevelopmentがトレードオフに近い関係なのに、そこに加えてDevelopmentと相性の悪い要素がSDGsの中にたくさん含まれていて、さらには平等とSustainableの相性がいいとも限らない……(ジェンダー問題を解決した結果少子化に向かっているみたいな話、聞いたことあるよね?)。教育だって、今のところどちらかと言えば格差の固定装置・経済の停滞要因として機能してしまっている。
 要するに、SDGsはあまりにも総合的すぎて何も言っていないのと同じなんだ。「農耕牧畜すら放棄した狩猟採取社会ってDevelopment Goalsに適ってるくない?」みたいな説が言えてしまう時点で、まるでダメ。

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