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ぼろねこ

ツイッターで見かけたボロネコは、老いて人の手を借り餌を腹に入れていた。人は猫をあきらめきれず。

やたら感情移入して読んでしまう。
同時進行、我が猫も痩せて毛艶はなくなりボロボロになっている。

ある日、猫はいつものように外から帰ってきて寝そべった。
そのまま寝続けて、ぱったり餌を食べなくなった。
三日が過ぎる。
日ごとに弱り、どうしたんだろうと抱いた時、大きな傷跡を見つけた。
野良ネコだと思う、うちに来ては追いかけられていた。
老いて追いかけられて傷。
やられたのとショックからか猫は臥せった。

目やにとあばらが浮き出る。
泣きたい気持ちで、病院へ連れていく。
野良ネコか獣にやられたんだろうと言われる。
泣いた。
「猫はね、三日食べないと肝臓に負担がかかる。無理にでも食べさせてください」と流動食の缶詰とそれを口に運ぶ注射器を渡された。
口へと注入した。

あれこれと柔らかい餌を買い求め口に運ぶが食指なく。
ググって、カリカリ餌を水でふやかしすり鉢ですりつぶすを発見。
それを注射器で吸い上げて、猫の口に運び注入。
むりくり食べさすを、「ああ、良く食べるねえ、えらいえらい。もうちょっと食べてみようか」家人が朝昼晩とやっている。

多頭飼いで、♂♂♂♀♀と5匹居た。
それぞれに仲が悪かった。
あの猫とこの猫。
その猫とあれは、あれがやられる。
対立相手は決まっていた。
重なって寝ているかと思えば、やおらに喧嘩。

力関係がはっきりしていて、その時に力のあるのが食卓に着く。
それが死ぬと次が着く。
まるで猿のようだった。
そして順繰り、15歳で死んだ。

最後のこの一匹は名前をアマラという。
ごく小さな時に、餌を求めて我が家の猫飯場に通うようになり
娘がこれを抱いて挑戦的に言った。
「前に来たあの野良も飼ってるじゃない、これを飼わないのは贔屓だ」
以来17年になった。


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