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イヴとイヴと久々に読んだ



この作者さんは百合妊娠アンソロで知ったのだけれど中でも特に好きな話がありまして、こちらに加筆修正したリメイク版が再収録されているとの事で購入したのです。

数ヶ月ぶりになるのかな……もうね良さしかないんですよ。

世界観が結構SFっぽくて結構終末感あるんだけど、これ話が全部繋がってるんだよね過去と現在そして未来。


1話 奇跡の好きを残したい~宙~


いきなりの世界終末旅行。

言葉も通じないふたり、サユとニカは生きていく為に一緒に行動する。

でも言葉が通じなくても好きだという感情は分かるし確かめ合う事も出来る。

自分が男だったり自分が死んでもニカひとりきりにしなくても済むのに。

そんな葛藤の中突然SFチックなアイテムが!

なんとこの繭のような機械の中でえっちすると女同士でも妊娠することが出来るのだ!

やった!ハッピーエンド完!


2話 エーコとリーザの場合


エーコは漫画家、リーサはエッチな事もできる家庭用ロボット

普段はモデルやデッサンに協力してもらっているだけなのでエーコはそういう経験をした事がない。

ロボットに恋をするなんて変、好きな人同士じゃないとそういう事は怖い。




3話 攻め?受け?三本勝負!


クラスの女子5人組で攻め受けの話に(なんで?)

えみは全体的に受け、あんずはその受け体質のえみにすらにも受け判定。

納得がいかないので空いた教室で確かめてみる事に……。

結果は……


えみが攻めでした。

※ちなみにあんずはこの先の話にも重要な人物として登場します。



4話 二度目の浮気


学生時代親友だったみどりとあずさが社会人になってから偶然にも再会。

そしてバーへ行き思い出話に花を咲かせ、現在の恋人の話に。

ふたりとも彼女がいると判明した途端、あずさの表情が妖しくなる。


そして突然のベッドイン!

そこにみどりの彼女からの電話が。やっぱりこんな事はやめよう。

そう言ったけどあずさの押しと魅力には勝てず最後までえっちしてしまった。


そしてなんとこれは1度目ではなく2度目の浮気。

学生時代にもお互いに彼氏がいたのにみどりとあずさはふたりでえっちをしていた。


このままの関係ではいけない。

そう思ったみどりはあずさにちゃんとした恋人になろうと提案する。


だけどあずさはそれを否定した。


「ワタシたち、浮気だから燃えるんでしょ?」


ああ……と納得してしまったみどり。


ホテルを出、お互いの連絡先を削除しもう会わないと言って別れる。


「バイバイあずさ」

「…じゃあねみどり」


……でもまた今回みたいにばったり会っちゃったら?


そしたら
きっと
三度目の浮気




5話 呪いの跡継ぎ~約束~


呪われた家に生まれた市香、みんなは彼女を避けていたけれどひとりだけ仲良くしてくれた子がいた。それが結衣。

ふたりは約束をする。大人になったら村の外に出てみようと。


大人になった結衣は村の外でデザイナーの仕事をしていた。

とある日、市香が結婚するとの事で結衣は家に招待された。数年振りに会う市香は嬉しそうだった。

結婚相手は誰なのかと結衣が訊ねようとすると料理に睡眠薬が入っていたのか途端に倒れてしまった。


市香の結婚相手は結衣だった。

この家は女が女と結ばれ子を成さなければならないという呪いがあった。

市香に無理やりにでも愛撫され、やめてほしいと懇願する結衣。その時の市香の表情を見て結衣は昔の約束を思い出した。

「大人になったら一緒に外へ――冒険へ出よう」

市香は自分は呪われているから無理だと吐き捨てる

結衣はそんな市香を見て言った。

「私を選んだのは呪いのせいなの?」

それは違った。市香は結衣の事が好きだった。みんな外へ行ってしまった。自分はここの跡継ぎなので外へは出られずとても寂しかった。だから結衣に会いたかった。

そう告白した。


私を選んで正解だよ
これからは傍にいるから泣かないで
市香ちゃん
一緒に呪われてあげる


ふたりは村を夜のうちに抜け出した。

今は細々とではあるが幸せに暮らしている。

そうこのお腹の子ためにも変わっていかなくては――


その端に小さなニュース記事が映る。

ふたりが抜け出した村が土砂災害で壊滅したと。




6話 永遠一号二号はイヴとイヴ


女性ふたりが結婚する。ウエディングドレス着た華々しい結婚式。

だがそれは、手術台の上での出来事だった。


死がふたりを分かつまで――


彼女たちは「永遠一号」「二号」になった。

それは人の脳を使ったコンピュータで世界中のあらゆる出来事を記録できる、いわば人口のアカシックレコード。


彼女たちは文字通り永遠になった。


ありとあらゆる記憶の中には市香と結衣の姿も。

ふたりが結ばれて喜ぶ彼女たち。

そして数年後の記憶。

市香はまだ小さな子供を残して亡くなってしまった。だがその子供はあんずにとても似ていて――


様々な記憶を見ていくうちにたくさんの愛がふたりの中で永遠になっていった。

永遠とは何なのか、限りがあるから愛なのだろうか。


「私たちもっと――永遠になれる?」

「ええ!ワタシたちの愛はまた誰かが観測してるもの!」


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「永遠」という人工衛星は機能を停止した。

ふたりは届かない壁を破ってまで永遠になろうとした。


それを彼女たち、私たちもまたそれを観測していた。

彼女たちはほんとうに永遠になったのだ。




感想


時系列的には

永遠一号二号誕生→結衣と市香(呪いの跡継ぎ)→結衣とあんずを残し市香死亡→みどりとあずさ(浮気)→あんずとえみ(受け攻め)→永遠一号二号停止→エーコとリーザ(漫画家とロボット)→サユとニカ(終末百合妊娠)


サユとニカの話以外は全て世界が滅ぶ前の話。

初っ端から世界滅んでるけど女同士でも子為せるのでハッピーエンド。


一番のお気に入りは呪いの跡継ぎ。ふたりで駆け落ちして子供を妊娠してこれからも幸せに暮らすと思いきや最後に村が壊滅するという不穏な雰囲気。からの次の話でさらっと市香死亡。


オーマイガッッッッー!


なんて……

なんて私好みの話なんだ……最後まで完璧じゃんね。


次にお気に入りなのが浮気の話。

みどりとあずさはお互い別の方向に歩み始めるんだけど最後のコマで立ち止まってるのが意味深すぎて妄想捗る……。

結局ふたりは浮気をやめられないって最低な話なのにどうしてこんな魅力的に見えるんだろう。不思議。