足し算の料理、引き算の料理

料理には、「足し算の料理」と「引き算の料理」があるように思います。足し算のほうはシチュー(ポトフ)や八宝菜だったり、コース料理など、具材や品数を重ねるもの。引き算のほうは、たとえば盛り蕎麦だったり、卵かけご飯、素うどんなど?、シンプルさを追求するもの。

ひるがえって音楽では、足し算ならばオーケストラや大編成のバンド、引き算ならば弾き語りや独奏でしょうか。

足しすぎると、ごった煮・ごった炒めになりそうなので、そのあたりのバランスをうまくとれるのが上級者なのかもしれません。

一方引き算のほうも、たとえば素うどん、と言ってもやはりネギくらいは散らしたい。トッピング。こちらもいろいろとさじ加減が大事そうです。

そういう意味で、いわゆる「落ちサビ」というのは、ゴージャスな曲の中で、あらためて歌い手やメロディーにスポットライトが当たる瞬間だから、1曲の中での足し算と引き算の両方が楽しめる優れた構成のように思います。やられすぎているとしても、優れている。もしかすると“様式美”の一種かもしれません。

そしてこのような、音楽制作におけるトラックやフレーズ(やオブリガートなど)の足し引きは、いろいろまだ工夫の余地がありそうな雰囲気を感じます。…これ、オーケストレーションというよりも楽式論でしょうか??


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