“言外の言” ~歌詞の本質に迫る(3)
前回は、直接的に言わずに言いたいことを伝える方法として「比喩」を挙げました。今回はまた別、「言外の言」とでも呼ぶべき方法です。
これは勝手な命名ですが「言外の言」とは、言っている言葉とは別の意味を込めた言い回しを意味します。
例として、日本語なら「月がきれいですね」だったり、英語なら名曲のタイトル「Fly Me to the Moon」などが挙げられると思います。
(※ただし、後者では、タイトルの印象を裏付ける直接的なワードも歌詞に登場するので、言葉にしない気持ちを最後まで言わずに汲み取ってもらえるかどうかは、時と場合によりそうです。)
さらに変化球としては、英国のバンド10ccの「I'm Not in Love」も挙げられるでしょう。このタイトル、どう考えても真逆でしょ?(※解釈は人による)
また、松尾芭蕉の句「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」も、(夏の山寺で詠んだという補助線と合わせれば)聞こえてくるのは人けのなさとは正反対の蝉の大合唱だったのではないかと思われます。
なお上の例たちを比較すると、本音をあとから明示するかしないかには、お国柄もありそうな気がしますね。詳しくは存じませんが。
今日は以上です。文学はさすがに深くて、難しい。もし面白いエッセーをさらりと書ければこのnoteの更新頻度も上がるのですが。
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