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感動できるのは脳力?能力?

いつの間にか泣けなくなってしまっていた。

鬱の治療を始めてしばらくした頃から涙が出なくなった。昔はあんなにすぐに泣いていたのに。

ドラマやドキュメンタリーを見ていると、隣の夫は早々に鼻をすすり涙を拭い始める。もう泣いている羨ましいと毎回私は横目で眺めていた。

涙など全く溢れぬ私は無感動人間になってしまったのか?とさえ思っていた。

ところが、鬱の薬の減薬を始めて1ヶ月半が過ぎた今、やたらと感動するようになってきた。自分でも不思議なくらいちょっとしたことに感動する。

例えば、フルマラソンに参加している女性芸能人が終盤にキツそうに走っていたところ、沿道で応援している息子さんに頬を寄せる場面を見ただけで、私はウルウルとした。

そんな自分に驚き、え?なんで?嘘でしょ?と思わず声を上げてしまった。

また、SNSを見ていると、素晴らしい作品や写真、巧みな文章などなど、それぞれの才能が溢れている。いつもいいなぁと思いながら見ていたが、急にそれを生み出している人たちの自己研鑽に感動して、これまた鼻の奥がツンとする。

もしかしたら鬱の薬の何らかの作用で、私の感動する脳の機能が削がれていたのではないのか?などと思う。

本当のところはどうなのかは分からないが、何はともあれ感動できるようになってきたのであれば嬉しい。涙の量も、もっと増えるとさらに嬉しいな。

#エッセイ

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