今まで使った電源ケーブルについて語る
DTMやらレコーディングやらで電源ケーブル沼へ入ることを考えてる人のため、今まで試した電源ケーブルメーカーの「大雑把な傾向」を記しておきます。
感想は、あくまで「音を仕事にしている人向け」なので、ピュアオーディオ的な人の感想とは違うと思います。
あと、どうしたって個人なので、あまり10も20もメーカー試したりはできず、「この感想は下のグレードのケーブルを指してない?」みたいのもあるかもですが、ご容赦を。
金がある人はどんどん試して僕に教えてください!
■標準
・音のクリアさ : 普通
・周波数バランス : 普通
・ステレオ感 : 普通
・センターの見え方 : 普通
大抵の機材に付属の黒いケーブル。
ぶっちゃけ、大抵の機材に付いてる黒ケーブルは何使っても印象だいたい一緒。
■Oyaide(オヤイデ)
・音のクリアさ : 良くなる
・周波数バランス : 普通
・ステレオ感 : 普通+
・センターの見え方 : 標準とあまり変わらない
標準に飽きた人の第一候補。
割とどこの楽器屋でも売ってるけど、良くも悪くも付属ケーブルとあんまり変わらない。
「パワー感」みたいなのは間違いなく上がるので、電源ケーブル沼が嫌な人はどうぞって感じがする。
■プロケーブル
・音のクリアさ : 割と良くなる
・周波数バランス : ハイが派手になって、少しローが軽くなる
・ステレオ感 : 普通+
・センターの見え方 : 標準よりはいいけど、ちょっとボヤけ気味(プロケーブルで売ってるものはだいたいみんな同じ感じ)
公式サイト - https://procable.jp/
メーカーのイキりが超すごいことが一部で有名。
そんなに間違ったことは言ってないけど、表現が誇大妄想すぎて心配になる。
標準に飽きた人の第二候補。
インターネットを巡ると意外と買ってる人がいる。
お値段もそこそこだし、明確に「電源ケーブルで音が変わった!」って感じたい人には向いてるよ。
なんというか「空気感」みたいなのが付与されるので、リバーブ・ディレイとか、つまんない音が鳴るコンプやEQに一味加えたいときに使うといいと思う。
■Zonotone
・音のクリアさ : 割といい
・周波数バランス : ハイがちょっと荒く派手になる
・ステレオ感 : 普通+
・センターの見え方 : なんかギザギザな感じ
公式サイト - http://zonotone.co.jp/
「音が起きる」とでも言えばいいのか、全体的に派手で迫ってくる音になる。
ただし、定位がセンターに定まらないので、ステレオソースには向かない。
音が明確に派手で倍音感も上がるので、ギターエフェクターなんかのモノラルソースに良いと思う。
僕はギターも弾かず、ウチにはこのケーブルを活かす楽器・機材が無かっただけで、↓のケーブルたちに比べて劣っているわけじゃないとはちゃんと言っておきます。
■SAEC(サエク)
・音のクリアさ : すごい
・周波数バランス : ミッドがちょっと落ちる
・ステレオ感 : すごい
・センターの見え方 : マジすごい
公式サイト - http://www.saec-com.co.jp/
よく分からないけどすごいらしい導体「Triple-C」採用。
そしてアピールされる「ホスピタルグレード」。
オタクはみんなミリタリーグレードとホスピタルグレード、あと日本製に弱い。
音のフラットさを維持したまま「地味になる」結構不思議なケーブル。
なんというか、音を「濾し」て、余計なものをそぎ落とした感じ。
2~8kHz辺りの中高域に独特の「良さみ」があるので、アウトボードやオーディオインターフェース向け。
ただしミッド(500Hz周辺)が落ちがちなので、ミッドの強いスピーカーや電源ケーブルと組み合わせてシステムを組むといい。
■Acoustic Revive(通称アコリバ)
・音のクリアさ : 超すごい
・周波数バランス : ミッドが強くてローが落ちる
・ステレオ感 : すごい
・センターの見え方 : すごい
公式サイト - https://acousticrevive.jp/
メーカーの公式Twitterのイキりがすごいことが一部で有名。
SAECと同じくTriple-C導体採用。
SAECとは別の「良さみ」がある。
メーカーが標榜してる通り、ミッド(500~2kHzくらい)の押し出しが非常に強く、且つ自然な質感なので僕も結構愛用してる。
構造上ミッドが抜けがちなモニタースピーカーや、真空管系のアウトボード等に超向いてる。
ウチは確かマイクプリに使ってる。
■AET(エーイーティー)
・音のクリアさ : 超すごい
・周波数バランス : 超自然
・ステレオ感 : すごい
・センターの見え方 : すごい
公式サイト - http://www.audiotech.jp/
個人的、今まで使った中ではベストな電源ケーブルメーカー、AET。
全体的な平均点が高い。
※ただし1302シリーズに限る
(1304以上のグレードは、正直音楽制作には向いてない音がする)
16kHzから上の帯域の綺麗さ、サイド成分の自然さは、他メーカーでは味わえないレベル。
クリア且つ自然な鳴りで分離がいいので、ミキサーやモニタースピーカーに向いてる。
ただ、音にSAECやアコリバにあるような「良さみ」とか「メリハリ」みたいなのが薄いので、AETだけで固めると音がつまんなく感じるかもしれない。
そんな時は、「AETをスピーカーに使ってSAECをオーディオインターフェースに」とかそんな感じで使い分けるといいと思う。
■結論
基本的に、1万円超えるケーブルなら、そうそう「悪くなった」と感じることはないので、遠慮なく沼チャレンジしてもらえばいいと思います。
以上!