左手デバイス歴20年、今まで使った左手デバイスを紹介してみる[音楽制作]
実は僕、腱鞘炎の持病があるので、あまり激しくマウスを使えません。
なので、できるだけ右腕の負担を減らすため、もう20年くらい音楽制作に左手デバイスを使ってます。
自分でいうのもナンですが、結構な種類の左手デバイスを試してきているので、せっかくなので使用感とか色々紹介しようかなと思います。
「左手デバイス気になってるけど踏み切れないなあ」という人の参考になれば幸いです。
※あくまで音楽制作を主軸とした紹介をします
■Contour Design / Shuttle Pro
僕が初めて使った左手デバイス(正確にはこれの旧型。
当時着メロ制作のバイトしていたので、とにかく「MIDIの打ち込み速度を上げる」ために活用してました。
特に「再生カーソルを自由に動かす」点においては、他に追随するもののない最強デバイスです。
最初なので、少し具体的な使い方の話をしますが、例えばこの子だったら以下のような操作をアサインします
ジョグ : 1小節単位で再生カーソルを移動
シャトル : グリッド単位(16分音符とか)でカーソル移動
他 : アンドゥ、リドゥ、コピー、ペースト、曲頭へ戻る、マーカー移動、グリッドの解像度を変える(16分→8分とか)、全選択、選択の反転、画面の拡大縮小、ウィンドウを閉じる、上書き保存等々
主に「マウスで操作すると精密な操作が必要となってめんどくさい部分」や「めちゃ頻繁に叩くキー」を代行してもらう感じです。
上手く使うと、それこそドラムの打ち込みなんかは実時間を超える速度で打てました。
この時の経験がベースとなって、これ以降使ってた歴代左手デバイスのキーアサインも同じような感覚で設定しています。
DAWで左手デバイスを使いたいなら、まずは入門用としておススメです(代理店はもう日本にないっぽいけど。
絵を描く人の場合は、ジョグ/シャトルにキャンバスの回転とか画面の拡大縮小をアサインするときっと便利だと思う。
ちなみに、小さい版もあります。
■Razer / Tartarus V2, Tartarus V2 Pro
僕が今使ってるのはコレ(白のPro版をもう5年くらい。
理由はとにかく「割り当て可能なキー数が多い」「操作ミスが少ない」「マウスホイールが付いている」この3点に尽きる。
逆を言うと、他の数ある左手デバイスはどれもこの3点が満たせない。
各種編集仕事で左手デバイスを使うとなると、「デバイスを見ないで使っても迷わない/打ち間違いがない」ことが必須です。
見た目のキーがどんなに多くても、「デバイスを見ながらじゃないと打てない」じゃあ本末転倒なんです。
そういった「速度感」では本当に最強だと思う。
ただ、キーとマウスホイール以外のものは付いていないので、前述のShuttle Proのように、ダイヤルとか欲しい人には向いていないです。
■Microsoft / ワイヤレステンキー
とにかく小さくてかわいい。
ユーティリティも思ったより優秀で良いです。
ワイヤレスなので、例えばRecブースから外のRecマシンを制御するとかも可能。
、、、取り立てて大きな欠点もないので、それ以上特段言うことがないな。
キー割り当て可能なテンキーの中では、個人的に一番良いと思ってます。
■Microsoft / Surface Dial
「デザインのいい(実質)単機能デバイス」って感じ。
ハードウェアとしてのセクシーさは最上級だけど、仕事に使うようなデバイスではないと思う。
■Loupedeck
これはモニターコントロールに使ってます。
競合のElgatoのやつと悩んでこっちを選択。
決め手は「標準でMIDI情報の送受信ができる」に尽きる(Elgatoのは標準では非対応。
MIDI情報を送れるので、DAWのノブ操作とかにも使えるのが良い!
ただ、良くも悪くも「見ながら使う」ことを前提としているので、操作の速度は落ちる。
「操作する楽しさ」を味わいたい人や、スタジオ等で「誰でもキーアサインが把握できるようにしておきたい」環境向き。
■TourBox
嫌いじゃない、、、嫌いじゃないけど惜しい!
デザインや動画編集ならそこそこ用途あると思うけど、こと音楽用途で、効率のいいキーアサインが思い浮かばなかった。
というのもこのTourBox、役に立つシチュエーションを考えると「TourBoxのキー叩きながら右手で何かする」のが一番使いやすそう、って思うんですよね。
音楽用途で「ボタン押しながら右手で何かする」シチュエーションってあんまりないんですよね。
■サンワサプライ / プログラマブルテンキー
これまたテンキーベースで特徴がない。。。良くも悪くも「しっかりしてる」。
潰しは利かないけどシンプルな構造で安定動作するので、この子も左手デバイス入門には向いていると思う。
■3Dconnexion / SpaceMouse
本来は3Dグラフィックス制作用のデバイス。
色々動くジョイスティックでオブジェクトやカメラをグリグリ動かせる。
試しにGoogle Earthで遊んでみたけど、すごい楽しい。
今は分からないけど、当時は公式でキーアサインができるユーティリティが存在してなくて、海外の有志が作ったハッキングユーティリティで設定する必要がありました。
傾き角度で操作を変えること等もできたので、こと「画面の拡大・縮小」「再生カーソルの移動」といった操作には比類なき力を発揮してました。
今普通に手に入るデバイスだと、この辺が近いかな。
でも、この子よりSpaceMouseの方が、実はできることは多いです。
■TASCAM / FW-1884
これはオーディオインターフェースやミキサーの評価ではなく、よくある「コントロールサーフェース」の代表例として。
PresonusのFaderport等も含めたコントロールサーフェーストータルの印象として語ります。
コントロールサーフェースについては、最初に紹介したShuttle Proと一緒に使ってた時期があったんですが、ぶっちゃけ操作子はほぼ使わなかったですね。
だって再生・停止ならPCのスペースキー叩いた方が速いじゃん。
わざわざフェーダー付いた大仰な見た目のデバイスでDAWの操作をする必要性がゼロに近い。
これがスタジオでRecするってなったら分かるし、まあ自宅でも「音楽作ってる」って感じするし、気分が出るのはそうなんですけど。
そもそもいまどきってあんまフェーダー操作しなくないです?
するとしてもボーカルとかバッキングのワンポイントとかに書くくらい。
しかも、オートメーションって一度書いちゃうと後からの編集めんどくさいじゃないですか。
ということで、「(左手デバイスとしては)イマドキあんまりおススメしないタイプ」というかたちで紹介しておきます。
以上!
なんか思い出したら追記することもあるかもしれません!
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