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(暖かい音とは、、、?)抽象的なオーディオ形容詞を自分なりに翻訳してみる

音楽やってるとよく見る表現聞く表現「暖かい(音で暖まるとか電子レンジかよ?)」だの「速い(音速が340m/s超える空間で人は生きていけるのか?)」だの、正直よく分かんねえなってやつ、あると思うんです。

そんな抽象的な音楽表現を、可能な限り具体的な表現に翻訳してみようと思います!
※2020/10/6「解像度」を追加しました

■暖かい/冷たい/ウォーム(Warm)

[用例]
真空管ならではのウォームな音
ちょっと冷たい印象なので、もうちょっと暖かい音にしてください!

大体のケースに於いて、

暖かい : ハイが丸くてローミッドに重心がある音
冷たい : ハイハットがシャキシャキした感じ(ドラムのアタックがハッキリした感じ

を指します。
冷暖問わず、歪み系が軽くかかってる音に対して言われやすい傾向があります。
また、100Hz以下の帯域が軽めの曲にも言われがちです。

「デジタルの音は冷たい」なんて昔は言われたことがありますが、ビットクラッシャーかけた時の高域がジャキジャキする感じを「冷たい」と表現すると理解してもらえれば良いかと思います。

■音が速い/高速

[用例]
高速なオーディオケーブル
ケーブルを変えたら、音が速くなりました!

一般に、各種ケーブルやスピーカーを変えた際の、「低音」の立ち上がりが早い様を指します。
具体的な帯域で言うと100Hz以下。

ケーブルやスピーカーにもよるんですが、一般に安価なものだとベースやキックの「低音成分」は、波形の周期が長いためアタックに対して少し遅れて響きます。
(アタック成分によってマスキングされたり、スピーカー自身の振動で「後に鳴る低音」が強調されたりするんです)
それに対し、アタック成分の後すぐに低音が響いてくるケーブル/スピーカーを指して「高速」と表現することが多いです。

尚、「もっと(立ち上がりの)速い音にしてくれ」とオーダーされた場合は、ちょっと知恵が必要になるケースが多いです。
サンプルベースでエディット可能なら、キックのアタックをちょっと削って低音の発生を早くするとか、そもそもアタックの速いキックをレイヤーするとかで解決可能なケースもあります。
そういうテが使えないなら、EQの位相ズレを駆使して頑張るしかありません。

■ハリがある

[用例]
ハリのある中高域

2~5kHz辺りの「倍音感」が多い音を指します。
Neveを代表格とする、トランス入りマイクプリを使って録った音に対して使われることが多い。
決して「歪み感」とイコールではないことに注意。
同じヴィンテージの括りでも、真空管マイクプリとトランス入りマイクプリの音の違いはこの辺の表現で分かれます。

■低音が足りない

[用例]
もっとローを盛ってもらってもいいですか?

大抵の場合、レコード会社の人の言う「低音」は100Hzを指します。
なのでだいたいの場合、こう↑言われたらとりあえず100Hz辺りを盛って様子を見ればOKです。

逆に、クラブ系だったら30~40Hz辺りのことを指すケースもあり得ます。
その場合、モニタースピーカーによっては本当に鳴らないことも充分あり得ますので、注意しましょう(日本で流通する大抵のモニタースピーカーは50~60Hzくらいまでしか満足に鳴りません)。
特にTrapなんかはベースの30〜40Hzが非常に大切です。

◾️リッチ

[用例]
リッチな低音を奏でるスピーカー

主に「キチンと低音の正弦波を正弦波として鳴らしてくれるスピーカー/音源」を指します。
(キチンと鳴らないデバイス、多いんですよ)

■解像度 - New!!

[用例]
解像度が高いオーディオ出力

前項「リッチ」とは逆に、16kHz以上の超高域のトランジェントがしっかり出ているAD/DAコンバーター・スピーカー・マイクのことを指します。
ここがちゃんと出ると、左右のステレオ感や音の分離が良くなるので、みんなそういったところを指して「解像度」と言っているんだと思う。

とはいえ「超高域のトランジェントが出てる音」は、結構なお値段のAD/DAコンバーターと、ちゃんとしたスピーカーの共鳴処理をしてないと出ないので、なんとなく使ってる人が6割くらいいる気がする。

◾️ヌケ

[用例]
ヌケの良い音

主に中域(500〜1kHz)にピークがあるケーブル/音源/デバイスを指します。
「ハリ」や「押し出し」と併用されることも多い。

◾️押し出し

[用例]
押し出しの強い音

主に低域(150〜200Hz)辺りにピークがあるケーブル/音源/デバイスを指します。

「ヌケ」や「ハリ」と併用されることも。
この辺の「ヌケ」「ハリ」「押し出し」といった表現の組み合わせで、購入前の機材でも「どの辺りの帯域にクセがあるか」が分かってきます。

■0.1dB

[用例]
ボーカルをあと0.1dB持ち上げて!

だいたいの場合、0.6dBの操作で満足してもらえます。

■1dB

[用例]
ハイを1dB上げて!

だいたいの場合、0.6dBの操作で満足してもらえます。

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