ドローンの課長(ショートショート)
ある日、とあるドローン製造会社へ民間のロケット開発会社から依頼がきた。秘密保持契約を交わし、課長が話を聞くと次のような内容だった。
「宇宙空間における一人乗り用ドローンの開発ですか?」
「はい。宇宙開発の為、御社に協力をお願いしたい」
依頼は、太陽光発電を動力源に宇宙空間での使用が可能なドローンの開発。最終的には、宇宙服の頭部に某アニメのようなプロペラをつけ宇宙遊泳させるのが目標とか。会社に報告すると、社員一同気合が入る。
無重力空間なら小さなドローンで人を飛ばすことも可能だろう。
夢が膨らんでいく。
しかし、この話はなかったことにしてくれと突然の連絡。
危険だという理由でお役所からの横やりが原因とか。
だが課長はあきらめなかった。
すぐさまロケット開発会社と話をつけ、ドローンで月の写真を撮るという「かぐや姫探し隊」を結成。半年後に試作機をお披露目した。
そう、彼は不調に終わった商談を挽回してドロー(引き分け)にもっていくドロー(ン)の課長なのだ。
(420文字)
たらはかにさんの企画に参加します。
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