つよくてよわい、籠城吐露

私は強い
20年で幾度ともなく、これ以上無いまでに心を傷めつけられてきたから
自分の努力でどうにかなることは、なんだってできる。全部大したことじゃない、大概は全部やればできる。
今までの最悪の痛みに比べれば、全て大したことじゃない。

私は弱い。
私の心の傷口は、何度も何度も同じところを切りつけられて、治る前に血を出して、膿んで、もうぐちゃぐちゃになっている。
傷がなかった時のことを思い出せない。
もう元には戻れなくて、社会不安と対人不安を募らせている。

強い私は、なんだってできるから、全部できるようになって、鎧を着重ねる。傷つけられてきたから、武器は装填しないように、ひたすら自らを守ろうとする。
でも、完璧になろうとしても、誰にも傷つけられないようにしてきても、内側から腐っている。

化膿した傷はもうぐちゃぐちゃで、鎧を着れば着るほど、誰も見つけてくれないし、誰も治してくれない。

募らせて膨大になった不安は、私を内側から腐らせて、遂には鎧の中に閉じこもった。
せめて誰の武器も貫通しないような鎧を作りたい。

私は鎧ではなく、城を建てることにした。
私だけの城を、引き篭るための城を。

いつか刺されるくらいなら、誰にも見つからなくていいやと思う気持ちは、どんどん膨れ上がって
私はもう、城の中から出てこない。

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